この本、タイトルに騙された。
全編、「本が崩れる」だと思っていたら大間違い。
始めこそ風呂に入ろうと思い浴室に入ったら、外側から積んであった本が怒涛の如く倒れ、ドアを塞ぎ出れなくなったという話で、そら来た、面白そうだと思ったが運の月。
単なる随筆で、999段上のある神社に参拝するかどうか。
戦後の野球の話。
禁煙が幅を利かせ喫煙者にとっての嘆きなど、読みたくもない話も読まされた。
確かに著者は家賃14,200円の2LDKマンションに25年住み蔵書62,000の内、30,000冊を実家の庭に立てた収納庫に納め、残った32,000冊の狭苦しい山塊の彼方から遺体となって発見された。
考えても見よ、僅か2LDKマンションに32,000冊の蔵書。
それも殆どが単行本。
家財道具は全て売り、本箱さえ前に積んだ本で見えなくなるあり様。
調べものの為に本を取り出すことさえままならない、いつ崩れるかという恐怖心。
売る気にはならず増える一方。
剛毅ではないか。
斯く云う私、こんな友人を持ちたかった。