あれはいつ頃か、30~40年前だと思うが、日本人が選ぶ昭和の歌ベスト1位、みたいな番組で、藤山一郎さんが歌った「青い山脈」が選べれたことがあった。
その後BSだったか俳優が語る、ハリウッドの歴史というような番組が何回かに分けて放送されていたが、流石に俳優だけあって過去の作品を良く見てる。
いちいち解説していくのを興味深く鑑賞していたが、同じく、その中でもアメリカ人が選ぶ歌、No.1が「虹の彼方に」原題:( Over the Rainbow)だった。
それを歌ったジュディ・ガーランドは時の人となり、当時、大スターだったミッキー・ルニーと肩を並べる存在になったらしい。
余談だが、子供の頃、初めてハリウッド・スターで名前を覚えたのが、このミッキー・ルニー、小柄で愛嬌のある顔、一度見たら忘れない人だが、それもこれも教えてくれたのは父だった。
扨てと、そのガーランドだが、何かの映画で意中の人はクラーク・ゲイブルだと歌っていたのだが、それはまあいいとして、本作はガーランドの晩年を中心に描いた作品で、5回の結婚と5回の離婚。
彼女の体を蝕む薬物依存症とアルコール。
過去、孤独に苛まれた大スターの晩年を例に洩れず、苦悩と哀切に満ちた演技で演じたのがレネー・ゼルウィガーだと知って驚いた。
どう見ても似ても似つかない変貌ぶり。
もともと彼女は下段の写真にもあるようにふっくらした顔立ち。
それがどうしたことか激ヤセして目尻や頬は小皺だらけ。
それをまたクローズアップで映すからなおさら老けて見える。
これがガーランドにそっくり。
役作りの為に痩せたのか、その辺りのことは分からないが、やつれて痛々しいガーランドを演じるには相応しい体型で演技力もさることながら、歌唱力には驚いた。
レネー・ゼルウィガーとはこんなに歌が上手かったのかと。
そして見事、アカデミー主演女優賞の獲得。
一流スターの仲間入り。
この映画はゼルウィガーの役者魂を通して、ガーランドの悲惨な晩年を見るようで、何か物悲しい。