二年ほど前だったか、比較的近所に新しい喫茶店が出来たのは知っていたが、どうも入り辛く最近まで知らぬ存ぜぬの顔で前を行き過ぎてばかりいた。
何となく店内が豪華な造りなのは分るが、どうも薄暗く中が見にくい。
それだけに引っ込み思案の私はドアを開ける勇気が湧いて来ない。
然し先日、意を決して観音開き押し開けてみた。
「いらっしゃいませ」
という熟女の声が、どっからか聞こえる。
店内はというと、案の定、豪華で何やら中華風なイメージ。
真ん中には円卓、表側に4人座りのテーブルが2つと、反対側にも同じ4人座りのテーブルが2つあるきりで、ところ広しと雖も客席少なし。
更に床の間に掛軸、甲冑まである。
だが、灯籠がある中庭が凄かった!
下は今日の写真だが、無数の雀がどうしたわけか群がっている。
何を騒いでいるのか皆目分らず、私は一心に雀の動向を探ろうと凝視するが、さっぱり解せない。
そんなことを考えいるうち、いつしか流れる曲に思考が移っていた。
これ、なかなかいい曲だが、確か前回もかかっていたような。
そこですかさず私はママを呼んだ。
「すいませ~ん」
「はい」
「これってCDですか?」
「そうですが」
「すいませんが、今、掛かっている曲の一つ前の曲のタイトルって分かりますか?」
「はい、ちょっと待って下さい」
と言い、ジャケットを持って来てくれた。
「この4曲目が、そうだと思います」
表をみると何だ!
ジェシカ・シンプソンではないか。
この人のデビュー曲のCDも買ったし、以前、結婚生活をオープンにしたCSテレビも見ていたので良く知っているが、確か離婚したのではなかったか。
まあ、そんなことはいい。
で、早速聴いてみようではないか、我が家でと思った矢先、だがなに、敬愛する神の声、マヘリア・ジャクソンの方が先に歌っているではないか。
Mahalia Jackson - O Holy Night (unmatched and unforgettable)
Jessica Simpson - O Holy Night
そして、ジェシカ・シンプソン、う~ん、やはりゴスペルには負けるか。
カール・ラーション《クリスマス・イヴ》(1904-1905年)