愛に恋

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訃報 佐藤しのぶ

その昔、大正三美人なんて言われる時代があったが、さすがにその時代のことを語る資格はない。

然し、戦後の昭和三美人と言ったら、まあ、あくまでも主観だが、以下の三にを挙げたい。

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松尾和子 1935年5月17日-1992年9月25日 (57歳)

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佐藤しのぶ 1958年8月23日 - 2019年9月29日(61歳)

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平野啓子(和装)

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平野啓子(洋装)1960年9月8日- (59歳)

お三方とも素敵な笑顔。

 

昔から私は成熟した大人の女性しか興味がなく、20歳ぐらいの頃に先輩から、

 

「芸能人でいうと、どんな人がタイプなの」

 

と訊かれて、松尾和子五月みどり沢たまきなんて答えていたら、よく不思議に思われたものだ。

 

「もっと、若い子は好きじゃないの」

 

と、然し当時から歌番組こそよく見ていたが、アイドルに関してはまったく興味を示さず、70年代、80年代と続くアイドルブームにはかなり厳しい視線を送っていた。

見た目だけで左右する軽佻浮薄なアイドルが好きじゃないのだ。

そこへ行くと、松尾和子さんは、さすがに親ほどの世代なので憧れるだけだったが、佐藤しのぶさんは年齢的には手の届く距離。

あくまでも年齢的の話で、相手は超一流の大物、実際は私などお呼びではない。

 

平野啓子さんは30年程前だったか、歌舞伎番組のアシスタントで出ていたのを見て、この人、誰だろうと思っていたら、とんでもない人なんですね。

教授、理事長、ミス東京としての経歴はともかく、私が驚いたのは泉鏡花の『女系図』の独り舞台、湯島の白梅の場面で早瀬主税とお蔦の一人二役を演じ、あの長台詞を一人で語っているのには驚いた。

これはただ者ではないなと思った瞬間から「好き」となってしまった。

語り部(カタリスト)として舞台に立つ姿に見惚れてしまうのだ。

話が脇道に逸れた。

 

初めて、佐藤しのぶさんを見た時、こんな顔立ちで日本人なのかとビックリした。

まるでベルサイユ宮殿からやって来たような出で立ちで、あまりにも日本人離れした歌唱力と美貌。

以前、BSの『佐藤しのぶ 出逢いのハーモニー』という番組をよく見ていたが、まあなんとエレガントな女性かと強烈な憧れ意識を持っていた。

私みたいな武州三多摩の芋侍みたいな者とはわけが違うのだ。

その憧れの佐藤さんが亡くなられたそうだ。

松尾和子も早かったが、佐藤さんもまだ61歳。

最近、お見掛けしないなと思っていたら、或いは闘病生活を送っていたのだろうか。

死因がまだ伝わってこないが、何れにしても惜しまれる死。

全国には佐藤さんのファンも沢山おられることだろうに。

謹んでお悔やみ申し上げます。