与謝野晶子と鉄幹です。
電車を1本やり過ごしてまで魅入ってしまう写真ですね。
櫂は三年櫓は三月なんて言いますが、二人は舟を漕ぐ人を見ているのだろうか。
鉄幹が亡くなったのは昭和10年の3月。
つまりそれ以前に撮られた写真ということになる。
85年ほども前だろうか。
不思議ですね。
時代の接点がまったくない私がこうして彼等の写真を見ている。
何れはその逆がやってくるというわけだ。
85年後の日本。
彼らの時代からしてみると、今日の日本の変わりようは想像を超えるだろうに。
結果的に二人は敗戦を知らぬ。
知らずに死んだのが良かったのか悪かったのか。
ああ皐月仏蘭西の野は火の色す 君も雛罌粟われも雛罌粟
熱かった二人の恋も今や歴史の彼方。