愛に恋

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江湖

漱石の「我輩は猫である」の中に以下のような言葉が出てくる。
 
「無名の猫を友にして日月(じつげつ)を送る江湖の処士」
 
格調高い難しい言葉ですね。
 
 
江湖は「こうこ」と読む。
つまり川と湖のことで何れも中国の揚子江洞庭湖のことを言っている。
ならば「無名の猫を友にして日月を送る江湖の処士」の意味はというと。
 
江湖とは世間、または広く世間に、とでも翻訳すらしく、この場合は世間では少しおかしいから生活とでも訳すのだろうか?
処士は仕官しない人という意味だから、役人にもならず名誉も求めず平凡な生活を猫と送っている。
とでも訳せばいいのか?。
死語となった昔の美しい日本語、もう二度と蘇ることはないんでしょうね。