愛に恋

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極楽へ 越ゆる峠の一休み

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文豪大町桂月なんて言っても今や知る人ぞ稀になってしまったが、与謝野晶子が詠んだ「きみ死にたまうことなかれ」を痛烈に批判した人として文壇史に記録されている。
号は月の名所、桂浜を縮めて桂月としたもの、その佳月が終の棲家としたのが青森県十和田市にある蔦温泉
本籍まで当地に移したそうだが大正14年6月、胃潰瘍で没した。
 
極楽へ 越ゆる峠の一休み 蔦の出湯に 身をば清めて
 
時世の句だが、これを読んで以来、一度は当地に赴いて身をば清めてみたいと思っているがなかなかどうして。
蔦温泉と言えば吉田拓郎の「旅の宿」
作詞者岡本おさみ氏もここに逗留したらしい。

 

ぼくはすっかり酔っちまって

君の膝枕にうっとり

もう飲みすぎちまって

君を抱く気にもなれない 

 

と、4番の歌詞にあるが、さすがに温泉宿まで来て、君を抱く気にもなれない では、相手が許してくれまい。

しっぽり 濡れる、という言葉があるが、即ちこのような状態から発展して男女間の深い仲に没入していくことだろう。

そうですよね桂月先生。
しかし、一人で行くのはちと淋しい。