キャロル・ロンバートさん、私は昔からプラチナ・ブロンドの女性に弱いんですよ。
一度、貴女みたいな女性を連れて軽井沢なんか行ってみたい、その願いを叶えて下さい。
幸い、貴女のことはあまり日本では知られていないから、堂々と腕を組んで歩いても何の問題もありません。
ただ、嫌な問題がひとつあります。
ハリウッドの帝王とか呼ばれているレッド・バトラー、いや、クラーク・ゲーブルの存在ですよ。
ヴィヴィアン・リーみたいな絶世の美女と共演しながら、二人の浮いた噂はまったくありませんでした。
それもそのはず、ヴィヴィアンの愛した男は、サー・ローレンス・オリビエなんですからね。
どうかお願いです、ゲーブルのような女たらの男の物にならないでください。
私みたいな庶民的な男が一番ですよ。
口髭がなくちゃダメなんですか。
生やします、林益男、いや、生やしますからお願いす、私の物になってください。
注:
ゲーブルの妻キャロル・ロンバートは1942年1月16日、飛行機墜落事故により、その短い結婚生活と生涯を閉じました。享年33歳。