王位の継承、国境線の変更、宗教問題、長ったらしい名前と地理。
塩野七生さんのようにイタリアに住んでイタリア史ばかり書いている人が羨ましい。
中丸明という作家も負けず劣らずスペイン史ばかりを得意としている。
ただ、たまにゲスっぽい表現を使うが、それは頂けない。
「これがいったい、なんの役に立つというのか」
と言われてしまったとある。
そんなロルカを知ってしまったから読んだわけだが彼の生きた20世紀初頭動乱のスペイン史を簡単に書きたいと思う。
時はアルフォンソ13世の治世。
1931年、プリモ・デ・リベラ将軍のクーデターが成功、独裁体制の共和政に移行。
右翼陣営はこの直後から、武装蜂起計画に取り掛かる。
人民戦線とは一般的に革命側と思われがちだがスペイン内戦では政府側が人民戦線になる、ここを押さえておかないと混乱する。
7月、右派のクーデターが勃発、しかし軍部の足並みが揃わず失敗。
近代国家誕生の上では必ず内戦が起こる。
フランコ軍は左翼に対し容赦ない殺戮と凄まじい暴行、強姦を行った。
逆にスペインの女たちはフランス兵の陰茎を切り取り口中に押し込む蛮行を働いたが、同じことがスペイン内戦でも起こり右左共に容赦しなかった。
同じ歳、ロルカは生まれるが成長するにつれて詩才や音楽的才能に恵まれ、ホモ趣向も強くなっていったとあるが真相はよく分からない。
ただ、年下のダリとはかなり濃密な関係だったようで二人の間に何があったのか想像の範囲を出ないがダリに関してはこんなことが書かれている。
ダリには強度の「肛門性格」的なところがあり、彼の糞便趣味は、数年後にシュルレアリストに変身したとき、その仲間を恐怖せしめることになるのだが、このダリの「肛門性格」とロルカのそれが、ということは、大いに想像をかきたてられることであろう。
「肛門性格」とはどういうことか?
肛門フェチということか!
また糞便趣味とは恋人の物をということなのか、で、それをどうしたというのだ?
鬼才ダリに関してはもう少し勉強した方がよさそうだ。
もう一つ付け加えると。
彼が友人から略奪したガラ夫人との熱愛はあまりにも有名だが、ダリは彼女に、女性器官のもっとも卑猥な四文字を大声で叫ばせることによって、こよなき膣感覚と射精を味わっていた。
ともあれ、ロルカは36年8月18日払暁に処刑されたが今以って正確な場所は特定されてない。
殺害理由もよく分らないが処刑したのはフランコ派。
ロルカは言う。
スペインは、死が国民的見世物となる唯一の国なのです
さらに、
ぼくが死んだら
ギターを埋めて下さい
砂にふかく
僕が死んだら
オレンジの木々と
薄荷のしげみのあいだに
僕が死んだら
よかったら埋めて下さい
風見鶏の旗のなかに
僕が死んだら!