今でこそ全くカラオケに行かなくなったが以前は『君こそわが命』と『宗右衛門町ブルース』を十八番にしていた時期があった。
本来はサザンを歌いたいのだが声質が合わず、どうも演歌調の歌が得意で、何かと言えばよく歌い、またよくリクエストされたものだ。
大賞を獲るためには協会員であることが必要条件。
余談だが個人的には中村八大が国民栄誉賞を受賞出来なかったのが未だに疑問。
昭和30年代八・六コンビでどれだけの名曲を世に送ったことか。
更に坂本九を入れると六・八・九と言われる時代だった。
まあ、それはともかく本来なら名曲『黒い花びら』を歌いたいところだが何と言っても水原の歌唱力は絶品で真似できない。
彼の歌唱法は音符に言葉を乗せるというよりは、少し後から、テンポをキープしながら歌う、いわゆる“ため”を効かせたアフター・ビートで歌うため、どのように練習してもあのようには歌えない。
簡単に言えば僅かだがメロディより歌唱の方が遅れて出てくるような感じに聴こえる。
それをじっくり聴くため水原弘のベスト盤を購入したことがあった。
その忘れ去られていた名曲を、ちあきなおみが91年にスタンダード・ナンバーとしてレコーディング。
それまでにも細々ではあるが他の歌手も歌ってはいたが、ちあきなおみが歌ったことで俄然注目度が増し名曲度も輝いた。
彼女はジャズ、シャンソン、ファドと何でも歌いこなし、今や根強いファンから復帰待望論まで出ているがおそらく二度と戻ってくることはあるまい。
ともあれ、本書は中村八大の天才的な作曲家ぶりを紹介した本だった。
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