愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

藤田嗣治 本のしごと 林洋子

本来、美術や絵画には門外漢の私がこんな本を読んでもあまり意味がないのだが、古書市で見つけ、勢いで買ってしまった。
藤田の80年を超える生涯で、日本やフランスなどで関わった書籍、雑誌を対象に表紙絵や挿絵、新たに公開された旧蔵書、または国内の公共図書館、美術館、個人コレクションなどを網羅した膨大な「本の仕事」を紹介した一冊。
本書には200点以上の図版などが収録されているが、本の仕事ということからして実物は小さなイラストや絵画なのだろうと思うが、なるほど、流石に上手い。
中でも一目でそれと分る林扶美子と吉屋信子のイラストは、二人の死後、遺品の中から見つかったとあるから、藤田から貰った絵を大事に保存していたのだろう。
また、横綱玉錦と見られる人物の土俵入りを斜め後ろから描いたイラストなども見事なものだ。
今以って不思議なことは画家は何故、見たままを描写できるのか、同じものを見ていても私などは到底真似出来ない技術はどうしたら備わるのか。
才能と言えばそれまでだが何でも描けてしまう技量には脱帽しかない。
また、仕事上、多くの著名な文化人と交流を持ったことも見逃せない。
それにしても両大戦間の20年代のパリ、一度覗いてみたいものだ。
 
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