昭和戦史(読書録)
物語は、何の脈絡もなく突然、昭和20年8月9日夜10時半頃から始まる。 ドアを激しく叩く音で起きた藤原夫婦。 「藤原さん、藤原さん、観象台の者です」 夫と二人でドアを開けると。 「あ、藤原さんですか。すぐ役所へ来て下さい」 「一体何ですか」 「何だか…
昭和陸軍に無数に存在したはずの将校団で、今日、その名を世に知らしめている軍人は意外と少ない。 東條大将を除けば、石原高級参謀と辻参謀の名は戦史に刻まれ永久に語られる人物として名高いものがあろう。 今回読んだ本の著者は、関東軍時代の辻政信が少…
以前、NHKの『その時歴史が動いた』で戦艦大和を扱った番組があったが、ゲストの半藤一利さんが、大和沈没の場面を見て。 「悲しくなりますね」 と言っていたのが印象深い。 本当に悲しくなる。 吉田満さんの名著『戦艦大和ノ最期』に有名な場面、兵学校出の…