愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Nickelback "Burn It To The Ground"

www.youtube.com ニッケル・バック好きです! 肉食系にはこういう音楽がたまりません! 特に兵士のような方々にはワイルドでハードなサウンドがお似合い。 夏が好きな私は三度・サンドのお食事を平らげ、間食もなんのその。 ブログ・読書・音楽と日々満喫し…

アンリ・ルソー 楽園の謎 岡谷公二

アンリ・ルソーとはこんな絵を描く人だが実に変わっている。 代々フランスのブリキ職人で父は不動産業にも手を出していたらしいが、全く美術史の中に系譜を持たない彼は一族の中でも変わり者の絵描きと思われ、原因として従妹同士で結婚した親族がいたことか…

インディアナポリス

映画『ジョーズ』を見た人も多いと思うが、あの中で漁師を演じるロバート・ショーが船内で他の二人に自分の経歴を話す場面がある。 大戦中、乗っていた船が日本軍の魚雷で沈められ、救助に来るまでの5日間、海面に浮きながら仲間がサメに襲われる話をする。 …

諏訪根自子

凄い写真ですね! 1942年2月22日、ゲッペルスからストラディヴァリウスを送られる23歳の天才バイオリニスト諏訪根自子です。 二人の間に見える日本人は、後にA級戦犯になったドイツ特命全権大使の大島浩中将だと思います。 諏訪根自子は平成24年、92歳で亡く…

ミレーの名画はなぜこんなに面白いのか 井出 洋一郎

絵画史上、印象派の一世代前に隆盛を極めたバルビゾン派の拠点、バルビゾン村はパリから南へ約60㌔の地点にあるらしい。 発端は、この地方に一軒しかなかった食糧品屋が1824年に「ガンヌの宿」なるものを開業し、ここを根城に多くの画家が参集したことに始ま…

フラニーとズーイ J.D.サリンジャー

おはようございます、一週間のご無沙汰でした。 約束どおり本日から再開いたしますので宜しくお願い致します。 何だか解ったような解らないようなという言葉をよく日本人は使うが、この小説はそういうたぐいの表現は適当ではない。 解らないながらもさっぱり…

休日のお知らせ

連日続く猛暑の中、皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか。 若い頃から夏の好きな私は夏バテもなく過ごしておりましたが、今回、諸事情により一週間ばかり休日を頂き信州の野山を駆け巡りモグラ探しに行って来ます❗まあ、それは冗談ですが、毎日更新…

さよならドビュッシー 中山七里

第8回『このミステリがすごい!』大賞受賞作。 この人のピアノ演奏を絡ませた作品の特徴は演奏技術を文章として起こせるところ。 音符を文章化する技量は並大抵ではない。 目に見えない音を何ページにも亘って恰も小説から聴くように書く。 ミステリーであ…

羊と鋼の森 森下奈都

誰だったか忘れたが以前、ある女性作家がテレビでこんなことを言っていた。 「今の時代、作家は直木賞か本屋大賞を受賞しないと食べていけないのよ」 更に、 「書くことだけで食べている作家は30人ぐらいではないか」という話を聞いたのですが、かなりリアル…

藤田嗣治 異邦人の生涯 近藤史人

後世の人から見ると天才クラシックの作曲家や画家は独創力に優れ鑑賞する者を圧倒するが、どういう訳か巨匠同士の間では互いに認め合わないことがままある。 例えば藤田嗣治は黒田清輝と画法が合わず竹内栖鳳にも受け入れられず佐伯祐三とも没交渉を保ち独り…

古本価格

先月3日以来、何やら年寄り臭い坐骨神経痛なる病気を発症して早や1月半、あまりの激痛に自ら救急車を呼んだが、この病気、なかなか完治しない。 坐骨神経痛とは如何なる病気か考えたことも無かったし自分には関係ないものかと思っていたが、やはり寄る年波に…

歴史の証人 ホテル・リッツ (生と死、そして裏切り) ティラー・J・マッツェオ

1983年、Tacoという名前の怪しげなオランダ人が歌う『踊るリッツの夜』という曲がヒットしたことがあったがその後どうしているだろうか。 そのホテル・リッツに1997年8月、ダイアナ元皇太子妃が現れるわけで、生前最後の姿がビデオに残された。 その有名ホテ…

コーヒーと恋愛 獅子文六

獅子文六には真珠湾攻撃で殉職した九軍神の一人、横山少佐をモデルにした『海軍』という小説があるが、50年ぶりに『コーヒーと恋愛』という本が復刊。 帯には。 ・古書店で高値で取引きされる名作 ・こんなに面白い小説が何十年も読めなかったなんて信じられ…

大久保利通暗殺―紀尾井町事件の基礎的研究 遠矢浩規

うふ、 あまり一般向きな本ではないが「衝撃の真実」なんて言われると気になる。 釣られるようにまあ読んでみるかとレジに向かってしまった。 維新後、大久保利通が暗殺されるまでに既に3人の高官が殺害されているが、それだけ日本史は暗殺の歴史と言っても…

四十八人目の男 大佛次郎

晩年の父を偲ばせるものにNHKの大河ドラマがある。 日頃、戦争体験の話は元より歴史を語らせたら止まらなかった父だったが昭和39年の大河ドラマが『赤穂浪士』とあって、我が意を得たりとばかり日曜日を楽しみにするようになった。 しかし、古ぼけたアパート…

ペスト カミュ

翻訳ものには相性があるのか、私の読解力がないのか情けないことによく理解できなかった。 文体に馴染めない歯がゆさを感じつつの読了。 故につまらなかったという感想を持ったときには必ず他人のレビューが気になる。 案の定、意に反して『異邦人』よりこ…

誰がリンドバーグの息子を殺したか ルドヴィック・ケネディ

ジェームズ・スチュワート主演の『翼よ、あれがパリの灯だ』は昔から有名な映画なので観た人も多かろう。 「リンドバーグ翼の日」というのは5月21日のことで1927年5月20日の早朝7時52分にニューヨークを飛び発ったスピリット・オブ・セントルイス号が、33時…

恋の蛍: 山崎富栄と太宰治 松本侑子

私にとって太宰治は、その作品以上に心中事件の比重の方が大きい。 この事件には「魅了」されるような魔力が潜んでいる。 事実、有島武郎の心中に比べると、その関連図書に於いては比較にならない。 故に繰り返し読むのではなく読まされてしまう自分に飽きれ…

難波大助・虎ノ門事件―愛を求めたテロリスト 中原静子

読書といっても様々で、作家の文体に馴染めないような純文学、または策士、策を弄すのように調べ過ぎて読み手をひたすら混乱させるだけのノンフィクション。 時に、一体、何を読まされているのか解らなくるようの手法で辟易したり、微に入り細を穿って、ここ…

BETTE DAVIS EYE

www.youtube.com しかし、ベティ・デイビスの瞳とはよく言ったもんだ! この写真は1935年のデイビス。 この時代の彼女は知らないが50年代ぐらいになるともっと瞳が印象的。 というか大きな瞳なんですね。 それにタバコの持ち方が実に上手い。 ハリウッドの女…

カラヴァッジョ 殺人を犯したバロック画家 ペーター・デンプ

支倉常長が伊達政宗の命で慶長使節として教皇パウロ5世に謁見したのは1615年。 本書によると、カラヴァッジョの絵に嫌悪感を覚え焼き捨てるように支持したのがパウロ5世ということらしい。 カラヴァッジョが描く聖人像を忌み嫌う教皇と彼の天才性を疑わない…

仮装人物 徳田秋声

妻を亡くし老境に差し掛かった作家庸三、作家志望で多情気質の愛人葉子、二人の腐れ縁のような物語だが、まあ、とにかく読み辛い。 徳田秋声といえば明治・大正・昭和と活躍してそれなりに有名な作家だと思うが、今日、それほどには読まれない理由が一読して…

東京バンドワゴン 小路幸也

『東京バンドワゴン』、何のことかと思いきや、古書店の名前だった。 親子4世代が住む昭和のホームドラマのような小説で当主の堀田貫一は御年79歳。 明治から続く3代目の古本屋のおやじ。 それにしても明治の御代に『東京バンドワゴン』という店名はハイカラ…

田村俊子 この女の一生 瀬戸内晴美

発売後、半世紀以上の月日が経過しているが、瀬戸内さんが今も健在なのは大変喜ばしい。 しかし寂聴と改名されてからの本はあまり読んでいない。 もっぱら晴美時代の伝記小説を数冊読ませて頂いたが、何れも力作揃いでお薦め作品ばかり。 田村俊子の作品は1…

Rebel Yell

地震・雷・火事・オヤジとはよく聞きますが、最近の私は違います。 地震・ダニ喰い・風邪・腰痛 ・地震 嘗て経験したことのない地震でびっくりしました。 ・ダニ喰い 野良猫を家に入れて可愛がっていたことが仇となり部屋にダニ発生。 ・風邪 ここ最近、風邪…

橋の上の「殺意」 畠山鈴香はどう裁かれたか 鎌田慧

結局、読了しても殺意があったのかどうか判然としないままだった。 この事件の不可解さは警察が事故死と断定した捜査を、母親鈴香が事故ではなく事件だと騒ぎ立てたことにある。 本人が加害者なら、警察が事故死として捜査終了したものを何ゆえ事件として再…

ロルカ スペインの魂 中丸 明

ヨーロッパの歴史というのは実に分かりにくい。 王位の継承、国境線の変更、宗教問題、長ったらしい名前と地理。 塩野七生さんのようにイタリアに住んでイタリア史ばかり書いている人が羨ましい。 中丸明という作家も負けず劣らずスペイン史ばかりを得意とし…

青春デンデケデケデケ 芦原すなお

第105回直木賞受賞作、ロックに魅了された60年代の高校生らを描く青春小説で、時代の空気感はその当時を生きた者としてよく分かるが、やはりこの手の小説を読むには少し年を取り過ぎたか感動がなかった。 解説にはこんなことが書かれている。 あの1960年代は…

追想 芥川龍之介 芥川文

菊池寛はこんなことを言っている。 「故人老いず、生者老いゆく恨みかな」 芥川や直木を偲んでの発言であることは間違いない。 時間は無情にも生者にのみ長れていく。 芥川文さんが未亡人になったのは28歳の時。 それからの40年、夫への思いを訊き語りして…