愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

2017-01-01から1年間の記事一覧

私はその場に居た 戦艦「大和」副砲長が語る真実 海軍士官一〇二歳の生涯 深井俊之助

歴史を作る者、または変える者とは常に決断であると言っても過言ではない。 古くは日露開戦を控えて編成された連合艦隊司令長官は常備艦隊司令官であった、薩摩閥の日高壮之丞が、その任に当たるのが常道だったが、山本権兵衛海軍大臣は敢えて日高を更迭し舞…

Ain't No Way  Aretha Franklin

三人のお母さんと一人のお父さん。 先日、車椅子に乗せられ娘さんに押されながら病院へ向かう煙草屋のお母さんを久しぶりに見ました。 5年程前までは会うと必ず同じ話しをしていましたが、それでも一人で食堂に行けるほど元気だったお母さん。 娘の頃に父と…

昨夜のカレー、明日のパン 木皿泉

以前、直木賞を取材した番組をそれとなく見ていたら、私の知らない女流作家がこんなことを言っていた。 「今の時代、直木賞か本屋大賞の何れかを獲らないと絶対だめ」 つまり話題性がないと売れないということらしいが、時、恰も又吉君の『火花』が売れてい…

Leona Lewis Run

ナポレオンもヒトラーも嫌いだった冬将軍の到来です。 ナポレオンはクトゥーゾフ将軍にモスクワで苦杯を嘗めスターリングラードではパウルス元帥がソ連軍に降伏。 私はインフルエンザ将軍に負けないよう毎夜音楽で乾杯。 明日も寒いようで、おやすみなさい。…

古本病

武士道とは死ぬことと見つけたりと『葉隠』は書いているが、絶版道とは追い詰めることと見つけたりというのが最近の私の、ころころ変わる座右の銘。 何代にも渡って受け継がれて来た古書。 先の持ち主は如何なる理由で手放したのか。 少なくとも我が思いと同…

Suddenly

見つめ合う二人、世界は二人のために! いったい、この二人用の車は何のために買うのだろうか? 事故に遭ったら一瞬にしてお釈迦の車。 今日の私、何か眼底に異常あり。 宵、良い、酔いやさ! いい夢を♪ おやすみなさい! www.youtube.com

風天 渥美清のうた 森英介

子供の頃からの洋画ファンなのだが、なら、誰の映画を一番沢山観ているかといえば渥美清と倍賞千恵子となる。 寅さんシリーズ全作と、それ以外の作品も多数見ているので、それぞれ50作以上は観たはずだ。 渥美清という俳優を知ったのはかなり昔のことで『夢…

I´ve Been Loving You Too Long

最近、気が付いたことだがカメムシは何故、高層マンションの上層階の踊り場で死にたがるのか。 秋口、少なくとも10階以上の高所でカメムシの死体を多々見る事が多い。 あの小さな体で何ゆえこんな高さまで飛んで来て命を果てるか未だ嘗て『ダーウィンが来た…

闇の女たち: 消えゆく日本人街娼の記録 松沢呉一

570頁もある大著で、はっきり言って何から書いていいのか分からない。 内容は2部構成で、第1部は「街娼インタビュー」第2部は「日本街娼史」からなるのだが著者が書きたかったのは純粋な日本人街娼が近年減りつつあるため、街娼の戦後史を残したかったとある…

Il cielo in una stanza

www.youtube.com 考えている! 考えている? とにかく考えている! それでも考えが纏まらない時 そんな時は音楽の玉手箱を知らべてみよう 思考を止めて像の耳にすれば また明日もやってくる 一日、一日が千秋楽

京都ぎらい 井上章一

京都嫌いとは何ぞやということに興味を持ち買ってみたのだが・・・! 例えばこんなことを想像していた。 芸子が無理な京都弁を使う。 風俗と寺社が渾然一体となった場所がある。 観光客の多さ。 うだるような暑さ等々。 しかし、予想は大きく外れかなり歴史…

Amazon探検隊

何となく今日はたわいもない雑事で追われる休日だった。 まず、朝、部屋を出たところで大家さん夫婦に会う。 30分ほど互いの病気のことなど話合い、その後、郵便局へ。 更に銀行でお金を下ろし家賃の振り込み。 そして喫茶でモーニング。 食後、お決まりの朝…

泥まみれの死 沢田教一ベトナム写真集

全世界に衝撃を与えたサイゴンのアメリカ大使館前で自らガソリンを被って焼身自殺したベトナム人僧侶の映像を見たことがある人も多いと思うが、調べてみると、あの日は1963年6月11日だったとか。 時は南ベトナム初代大統領ゴ・ディン・ジエム政権下。 独裁国…

僕の父はこうして死んだ 山口正介

私の書庫に並ぶ本は相対的に言えば、死にまつわる蔵書とも言えるかも知れない。 多種多様な職業、洋の東西を問わず様々な死を読んできた。 武将、志士、革命家、思想家、芸術家、政治家、軍人、画家、詩人、歌人、小説家、俳優、医師、冒険家、音楽家など。 …

ニジンスキーの手記 完全版 ヴァーツラフ・ニジンスキー

手記は第一次大戦後の1919年、29歳の頃に書かれたものだが、この若さで既に精神を病んでいる。 ニジンスキーは、驚異的な脚力による『まるで空中で静止したような』跳躍、中性的な身のこなしなどにより伝説となったとあるが、彼の何がどう天才的なのか無論、…

愛の顚末 純愛とスキャンダルの文学史 梯久美子

『愛の顛末』とは、ややありきたりなタイトルだが、最近、私の中では赤丸付急上昇で一躍トップの座に躍り出た梯久美子作と聞いて、やはり買わずにおれなんだ。 帯にはこのようなフレーズが! こんなにも、書くことと愛することに生きた! その作家は以下の12…

世界の[下半身]経済のカラクリ 門倉貴史

国際社会は現在、性産業に対して二つの大きな問題を抱えている。 ひとつはポルノは解禁した方が良いのかという問題。 北欧のように子供の頃から性教育をすることによって望まない妊娠や性に対する精神的な免疫力を早い時期から養う。 二つ目は、セックス・ワ…

原首相遭難現場

大正10年、原首相が東京駅構内で暗殺されたことは、いつの頃からか知ってはいたが、その現場に目印が付けられていることを、これまた何で知るようになったか覚えてない。 20数年前ぐらいだろうか、児島 襄さんの『平和の失速』という本で事の詳細を知ったが…

鍵 谷崎潤一郎

『鍵』とは何の鍵なのか全く予備知識のないまま買ってしまった。 果たして、それが却って良い結果の読後感だったかも知れない。 端的に言えば夫婦の性愛を謳っているのだが、谷崎が取った手法が実に面白い。 夫はカナで妻は平仮名を用い日記を書く。 互いが…

父西条八十は私の白鳥だった 西条嫩子

何をきっかけにか忘れたが、20歳の頃、近現代詩と妙に肌合いの良さを感じた一時期があった。 中でも天才、萩原朔太郎の詩に痛く感銘を受けた私は、続けて立原道造、佐藤春夫、室生犀星、中原中也と読み漁り、そして辿り着いたのが西条八十。 私にとっては・…

幕末長州藩の暗闘―椋梨藤太覚え書 古川薫

幕末、猛威を振るった尊王攘夷の運動は水戸藩から始まったが、武田耕雲斎を首領とする水戸天狗党の乱が壊滅するに及んで、騒乱の火種は長州に移った。 その一部始終は長州藩の正史として維新後、『防長回天史』という名で編纂されたが、これはまさに勝者の歴…

ゴッホ 最期の手紙

昔から思っていることだが、もし、宮沢賢治に天才性を認めるとしたら、彼の小説のネーミングにあると思うのだがどうだろう。 『銀河鉄道の夜』『よだかの星』『セロ弾きのゴーシュ』などどれも素晴らしい。 中でも私は『銀河鉄道の夜』のファンで、思えば小…

チェ・ゲバラの遥かな旅 戸井十月

その昔、ジョン・フォード監督作品で『リオ・グランデの砦』という映画があったが往年の西部劇ファンならご存じかと思うが何しろ1950年作品と古い。 リオ・グランデとはスペイン語で大きな川を意味するが1967年10月8日、ゲバラはリオ・グランデのユーロ渓谷…

戒厳令下チリ潜入記―ある映画監督の冒険 G・ガルシア・マルケス

1973年9月11日のこの日、チリで起こった大事件のニュースを新聞で知った私は、その記事を切り抜いて長い間、保管していた。 それは合法的に政権の座に就いた社会主義のアジェンデ大統領がピノチェト将軍率いる軍部クーデターで崩壊し、全世界に衝撃を与えた…

看守が隠し撮っていた 巣鴨プリズン未公開フィルム

刑務所、拘置所、収容所などのイメージといえば、広大な敷地を高い塀で囲み、その上には鉄条網があり、監視塔で見張りの兵が銃を持って四六時中見張っている。 草はあっても樹木はなく、運動不足を解消するための小さな運動場、または散歩コースがある程度で…

妻への手紙―藤村 静子よりの手紙を添えて

写真で見る島崎藤村という人は温厚な紳士、理知的で、これぞ文豪という風貌であり、詩人としての才能も素晴らしく、一見、非の打ちどころがなさそうな人物に見えるが、生活力、品行、世間的な評価を考えると、やや問題がある、いや、あったのかも知れない。 …

探訪 樋口一葉

結核が細胞を蝕み、備わった天性の才能を道ずれに三途の川を渡る時 死への恐怖に抗う術なし 遺されし家族への憐憫 命の蝋燭の灯は目減りし喀血が体力を奪い 幽鬼漂う中、朧に生きているような私 鏡に映る青白い貌を見る、二十四にして老残の貌を凝視す 穏や…

波に夕陽の影もなく―海軍少佐竹内十次郎の生涯 佐木隆三

昭和23年に新聞連載された大佛次郎の作品に『帰郷』という小説がある。 今日では絶版本で古本屋でしかお目にかかれないが、その主役となった守屋恭吾なる人物が、今回の本のモデルで竹内十次郎海軍少佐という人物。 まったく予備知識がないままの読書で、予…

女たちが変えたピカソ 木島俊介

ブックオフで見つけ、タイトルに惹かれて買ってしまったが、当初、ピカソ絵画の変遷と愛憎入り混じった男女劇みたいなものを想像していたのだが、主体はあくまでも画法であって人物に非ず。例えばこんな記述。 愛はいつ時を占めるのか。時はいつ美となるのか…

家族はつらいよ 小路幸也

30年程前のことだが、名古屋駅近くのローソン店内でレジ前に並んでいた山田洋次監督に声を掛けたことがあった。 ほんの少し立ち話しだけだが、やはり相手が相手だけに印象深い。 だからというわけではないが、最近は頭痛、肩こり、樋口一葉じゃないが、肩の…