愛に恋

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スクラップ・アンド・ビルド 羽田圭介 第153回芥川賞受賞

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祖父の介護と言いつつ、孫の取る態度は徐々に生きる気力を奪っていくようなもので、それを分からず祖父は孫に感謝の言葉を投げかける

母親は実父でありながら、まるで粗大ごみのように扱う言動など、表に出ないだけで実際には世間ではよく見られる光景なのか、小説とはいえ気の毒になってしまう。

孫は祖父の死が早く訪れるよう、ひたすら健康を取り戻さないような配慮をして生活しているようだが、祖父が願うように早く三途の川を渡らせてあげたい、それが祖父の為にもいいと考えての行動なのか。

辛くあたる母子も何れは老境に入る日が来るものを。