愛に恋

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岡江久美子の訃報

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コロナの方では免疫力の低下している人を狙い撃ちしている訳ではないだろうが、岡江さんは乳がんの治療をしていたらしい。

我々としては、このように予想だにしない人がコロナで逝くようなことをニュースで見ると、今後、誰が罹患して病院送りになるか、そう、誰が罹ってもおかしくない世の到来となったと自覚しなければならない。

歴史に残る100年に一度の、この時代をなんとか生き延びなければ。

エゴン・シーレ島村抱月の命を奪ったスペイン風邪は歴史の教科書の中に存在する、現在を生きる私たちには無関係なことだと思っていた。

 

然し、その再来とでもいうべき新型コロナ・ウィルスが武漢から遣って来た。

現在、武漢大学は桜の名所として知られる。

1930年代、日本軍が武漢を占領した時に持ち込まれた約千本の桜が今もなお咲くのだ。

その武漢からの贈り物は、あっという間に全世界に広まった。

収束の目途は立たず自粛営業や一時閉店に追い込まれた店などは今後、どうなるのだろうか。

どこもかしこも閑散としているが、この分では5月6日以降、平常に戻るとは誰も思っていまい。

延長になった場合、日本経済はどうなってしまうのか。

企業倒産が続出し、街には失業者が溢れかえるのか。

今や病院まで来院者が半減している。

院内感染を怖れるが故だが、あろうことか、医療従事者への嫌がらせや自宅への投石、落書き、または、その子供への虐めまであるというではないか。

何と情けない人間なのか。

日頃の恩を仇で返そうとするようなものだ。

 

その昔、明治10年のことだが、コレラ対策で政府から現在の千葉県鴨川市に派遣された沼野玄昌という医者がいたらしい。

西洋医学を習得していた玄昌は防疫と治療に当たったが、住民からは消毒液が毒薬に、患者を罹患する処置が肝取りと勘違いされ、暴徒化した数十人の住民に殺害される事件が起こった。

42歳で殉職した玄昌のため、地元には彼を祀る弔魂碑が建っているという。

住民のために働いたのに、殺されなければならない、よもや、今の時代にそんなことはなかろうと思うが、医療従事者に対する誹謗中傷は言語道断と言うべき所業で弦に慎まなければならない、人間としてあるまじき行為だ。

さてこそ、それと同時に心配なのは、まさかこの後、大恐慌時代がやって来るのではあるまいな。

それは考えただけでも恐ろしい。

ともあれ、いつも美しく明るかった岡江久美子さんのご冥福をお祈りしたい。