愛に恋

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訃報 宮城まり子

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近年、やたらと不倫に関して厳しく、まるで晒し者のように芸能記者に取り囲まれ、話したくもない汚点を無理やり引き出そうとするレポーターたちにはうんざりする。

妻の妊娠中に不倫をした男性を庇うつもりは毛頭ないが、これではまるで吊るし上げだ。

不倫は人類の文化かどうかは知らないが、そもそも人間に一夫一婦制はそぐわないという意見もある。

一夫多妻制の国もあり、哺乳類の中にはハーレムを作る動物もいる。

まあ、そんなことはどうでもいいが、古くは瀬戸内晴美佐藤愛子、そして宮城まり子も不倫をしていた。

数え出したらきりがない。

然し宮城まり子は芸術祭賞、東京都名誉都民、瑞宝章と数々の栄誉に輝いている。

不倫のお相手は、御存じ、吉行淳之介で不倫に終止符を打つために宮城がアメリカへ向かったのが昭和34年11月。

そのため吉行はこんな手紙を送って宮城の帰国を促そうとしたらしい。

 

君のことは大好きです。小生誘惑が多く、毎日神様にお祈りして、日を送っている。

 

彼女が肢体不自由児療護施設を設立するきっかけとなったのは、ミュージカルで脳性麻痺の少女を演じたこで、役作りのため通った病院の医師から「就学猶予」という言葉を教えられ、重い障害のため教育が受けられない子供の存在を知ってショックをうけ、女優のかたわら福祉の勉強を続けることになった。

それを吉行に相談すると、3つのことが守れるならOKという返事がきた。

・愚痴をこぼさない

・お金がないと言わない

・途中でやめない

その「ねむの木学園」が今年で52年になるらしい。

養護施設、美術館、吉行淳之介記念館も作り、吉行との約束を守り93年の人生に幕を閉じた。不倫の是非を問うているのではないが、不倫と言えば飛んでくる芸能レポーターに比べ、宮城さんのやったこととは、そうそう誰にでも出来ることではない。

多くの子供たちに、お母さんと慕われ逝った宮城さん、お疲れ様でした。

吉行さんとの再会はどうでしたか。