どうなんだろうか、この本は。
ジークムント・フロイトといえば精神分析学の創始者と言われているが、全編、夢の中の話で終わっている。
他人の夢の話ほどバカバカしいものはないと言うが、まったくその通りで、時に哲学的、または心理学などの小難しい話を交え、延々、300頁以上も読まされる。
停電になった電車の中で、誰かに襲われ主人公の青年は性的暴力を受けそうになる。
電気が点くと青年と老人が真向かいに座っている。
その老人こそがフロイトなのだが、当初、何も知らない青年は今自分を襲ったのは貴方ですかと訊くが、フロイトは私みたいな年寄りが、君みたいな青年を襲えるはずがないと答える。
然し、他に乗客は一人も居ない。
二人は話し合い、お互いのどちらかが夢を見ているのだという結論に達する。
どちらかの夢が覚めれば相手方は消えることになるという設定から、荒唐無稽な話へ進んで行くのだが、私としては夢を見ているのが誰か分からないまま最後まで、少しうんざりしながら読むわけだが、いくらフロイトの夢分析に関する話とはいえ、あまり面白い本ではない。
そればかりか、やたら性行為の話が多いのはどういうわけだ。
ありとあらゆる場面でやる、やらない的な会話が多い。
フロイトはそんなにセックスに関することを著書に書いているのだろうか。
だとするなら仕方のない話だが。
本書を読んだ人は少ないと思うが、これを面白いという人がいたらお目にかかりたい。
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