愛に恋

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訃報 宍戸錠

何年か前のこと、『徹子の部屋』に故小沢昭一さんが出演していた時の事、黒柳徹子「私、百歳まで生きるかも知れない」と言ったら、すかさず小沢昭一は言ったものだ。

「それはいいけで、そうなったら周り誰も居なくなっちゃうよ、それも寂しいよアンタ」

そうなんだよね、人生、同時代を生きた仲間がどんどん消えて行くほど寂しいものはない。

長い間、その代表例を私は森繫久彌だと思っていた。

あの人ほど吉田総理を上手く演じた役者さんもいないが、森繫さんには『社長シリーズ』と『 駅前シリーズ』という二つのコミカルな東宝映画がある。

森繫曰く「スターは三船、役者はのり平」で「のり平」とは三木のり平のことだが、この人のコミカルな演技はちょっと真似出来ない。

戦時中に部下だった者が戦後、会社では社長になっていたという、立場の逆転した二人の遣り取りなど見ていると笑えてくる。

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そんな森繫さんは96歳の大往生で、総ての映画仲間は先立ち、独り取り残された晩年をどのような面持ちで送っていたのか、余人を以って計り難い。

その森繫さんたちと競うように張り合っていたのがクレイジーキャッツの『無責任時代』で青島幸雄曰く、「あの、植木さんのバカ笑で日本中を元気にしたと」。

確かに、あの能天気な笑いはバカバカしく愉快だった。

♪ 金のない奴ぁ、俺のところへ来い

  俺もないけど心配するな

 見ろよ、青い空、白い雲

 そのうち何とかな~るだ~ろ~う

 アッハハハハ!

 

そのクレイジーキャッツも、存命するは犬塚 弘さんのみで、調べてみると当年三月で91歳になるとか。

そして今日、「エースのジョー」こと宍戸錠さんも逝った。

つい先日、小林明さんの奥さんの訃報が伝わったばかりだったのに。

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この写真の男性陣だけ見ると、右から、赤木圭一郎宍戸錠石原裕次郎、小林明、和田浩治だろうか。

写真には写ってないが、この他に、長門裕之、渡哲也、浜田光夫二谷英明なども日活で、永年、宍戸錠と組んだ小林明氏は何思っているだろうか。

私個人は大映東映東宝のファンで、あまりアメリカ映画まがいのドンパチの激しい日活ものは見て来なかったが、昭和45年制作の日活最後の巨編、8時間を超える『戦争と人間』だけはオールキャストだけあって素晴らしい名作だった。

勘三郎がまだ15歳で出演していた。

 

私自身、まだ先の話になるやも知れぬが、無聊を託かこち、老残の身を曝し、無為に余生を過ごすような日々が続くようなら、余力のあるうちに父の元の旅立つのも一考かと思う。

既に同年の知らぬ人とていない著名人が3人亡くなっている。

 

余談だが、今日、金田正一さんのお別れ会があった。

代表として原辰徳が笑顔で、

「金田さん・・・、辰徳です、」

長嶋、王、野村、張本、錚々たるお歴々が一堂に会していた。

あの懐かし昭和30年代を思い残出していたのだろうか!