愛に恋

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ストレンジャー~上海の芥川龍之介~

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先日、東京に住む従妹からメールがあり、「明日の夜9時から、こんな番組をNHKで演るから兄ちゃんも見て」というメールが届き、何だろうと調べてみると以下のようなものだった。

https://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/20000/416270.html

なるほど、上海の芥川ね。

昔、芥川が書いた何だったか、上海に於ける旅行記みたいな本を読んだことがあるが、はて、芥川が上海に行ったのはいつのことだったか?

調べてみると1921年には海外視察員として」とあるので大正10年になる。

私の一族が戦前の上海と聞いて敏感に反応するのは故なきことではなく、戦時中は一家全員が上海で暮らし終戦を迎えた。

父は大正5年、蘇州で生まれ上海に移り住んだが、芥川が上海に来たのが大正10年となると、幼い父と何処かですれ違ってはいなかと考えてみると、ちょっとしたロマンを感じる。

 

余談だが1921年前後の中国の歴史は複雑すぎて、まどろこしいが北京では北洋軍閥、南京では中華民国、その後、宣統帝が退位することによって孫文は臨時大総統職を袁世凱に譲るが、1916年に袁世凱は病没すると、ここからが軍閥に拠る群雄割拠の時代で複雑怪奇。

魔都上海では平然とアヘン、売春、暴力が蔓延り、腐敗しきっている。

また、日本から対華21ヶ条要求が出され、余程の人物の出現がないと中国統一は無理だと考えられていた。

その後、登場したのは蒋介石と張 作霖だが昭和3年、張 作霖は関東軍の謀略によって爆殺。

6年には満州事変、そして上海事変、12年には盧溝橋事件となり我が一族も、大きな歴史の渦に否応なく巻き込まれてしまった。

そんな時代を予測してか芥川は自殺してしまったが、大正、昭和、平成、令和、動乱の時代は終わり平和な令和元年も今、終わろうとしている。

私の生きて来た戦後の昭和には戦争もなく、徴兵で引っ張られることはなかったが、今後とも国が崩壊されることがないよう願って、あとで年越しソバを食べたいと思う。

今年はさして良い年とは言えなかったが、まあ、人生、為るようにしかならないというのがモットーなので、来年は大過なく平凡な一年であれば、それで良しとしたいところだ。

 

今年一年、当拙いブログを読んでくれた方、ありがとうございました。

よければまた来年も宜しくお願ひします。