【ウィーン14日共同】ウィーン市警察当局者は14日、日本人の男性指揮者(33)と友人の芸術専攻の女子大生(19)の水死体がウィーン近郊のドナウ川で見つかったことを明らかにした。同市三区警察署のサムエリ法務部長らによると、市内のドナウ運河で指揮者が発見された後、数日後にドナウ本流の約30キロ下流で女性がそれぞれ見つかった。心中とみられる。同部長によると、旅券との照合や家族による身元確認で、2人とも東京出身の日本人と分かった。2人は半年前からウィーンに住んでいたという。
在オーストリア日本大使館は、遺書もあったため事件とはみていない。
これは2001年に起っ心中事件で、本を買うにあたって裏表紙にノンフィクションとあったが、タイトルからして『ドナウよ、静かに流れよ』なんて言うから、ミステリー小説ではないかと勘違いさせられ戸惑いながら読み進めていった。
然し、所属団体名や社名が実在するものと知って、自然、考えも方向転換するわけだが、こんな事件があったということを知っただけでも良かった。
2人は東京都出身の日本人で、半年前からウィーンに在住、男性はチバ・ノリヒサ、女性はワタナベ・カミという名で、ルーマニアで出会い、同年3月にウィーンに来たがホームレス状態に陥り、市内のカルメル教会の世話になっていたとある。
指揮者だという男はある秘密結社、宗教団体に追われていると怪しげなことを言い、精神病院の通院歴がり、
「心中なんて今でも信じられません。よく笑う、明るい子で」
という女性の友人の話や、
「娘は、あの男に殺されたと思っています。無理心中ですよ」
と話す父親。
小さな新聞記事を読んだ当初から事件に興味を持ち、真相追求に乗り出す著者。
現地取材を基に二人に何があったのか、何故そこまで追い込まれたのか核心に迫って行
くもので、確かにノンフィクションだった!