八千草薫さんを初めて知ったのはおそらく『宮本武蔵』のお通役を演じていた頃だと思う。
お通という名は子供の頃から知っており、父がよく和尚と武蔵、お通のことを話していた。
然し、他の映画はそれほど見ていない。
『男はつらいよ 寅次郎夢枕』と『226』ぐらいではないだろうか。
だが、あれはいつ頃だったか思い出せないが、名古屋の広小路通りに面したホテル、名前が思い出せないが、そこの一階ラウンジでコーヒーを飲んでいる時、八千草さんが階段を上がりロビーに現れたのを覚えている。
正面のエレベーターに入り、振り返ってこちらを見たとき、しっかり目が合った。
ただ、それだけのことだが、偶然というか、今まで多くの芸能人と意外なところで会っている。
それからおそらく40年ぐらいは経ったか、2度目の邂逅がないまま八千草さんは逝ってしまった。
確か、これがお通の写真ではなかったか、間違っていたら御免なさい。
キリっとした表情ですね。
仲代さんも淋しがっておられるに。
八千草さん、お疲れさまでした。