愛に恋

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漱石全集を買った日 山本 善行・清水 裕也

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古本病に罹ったと認定されるには何を基準にしたらいいのかよく分からぬが、本書は古本が好きなあまり古本屋を営んでしまった山本善行氏と、古本をこよなく愛する清水裕也氏の対談集で、お二人とも私より年下だが、博識なことには参りました。
装丁、編集者、翻訳者、地域の古本屋のことまで古本病に罹るとは、ここまで該博にならなければいけないとすると、私などは到底その域ではない。


ただ、興味ある絶版本を探しているだけではダメなのだ。
改めて奥の深い領域だということを実感した。
然し、本当の読書家にとって常に付き纏う悩みが三つほどあるように思う。
殆どの人がおそらく積読本の量も凄いと思うが、問題なのは私みたいな遅読の者には買う速さに比べ読むスピードが追い付かない。


部屋のスペースの問題もある。
ネットサーフィンなどしていると、私を含め大きな家に住んでいるとは思えない人が多い。
増殖する一方の本に日々悩んでいるのではないだろうか。
金銭的な問題もある、買いたい本は数あれど無制限に買えばいいというものでもない。
これら三重苦をどうしたものか。


ともあれ活字離れが多い中、私が大阪に来てこの方20年の間に多くの古書店が姿を消した。
行ったら無かったなんていうことはよくある。
その分、Amazonがあるからいいという問題ではない。
古本屋はひとつの文化を形成している、故に各地に点在する古書店に出向きたいのだが、時に購買欲にはブレーキも必要だ。


将来、古書店を営もうと思ったことは一度もないが、お二人のように書籍にまつわる蘊蓄を語り出したら切りがないという豊富な知識には憧れる。
私の場合、苟も古本道に迷い込んだなんていう大それた考えは、まだ持てる立場ではないことを本書を読んで痛感した。

なかには、好きな本なら何冊持っていてもいいなんていう人もいるぐらいだから。

 

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