愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

手紙 東野圭吾

                                                          f:id:pione1:20190521103046j:plain

読み進めて行く中で、どのようなラストが待っているのか考えていたが、特別強引な手法で結末を向かえるような形でないところがいい。
特段、ハッピーエンドでもなく、主人公が今後どうなって行くのかとも設定されていない。


設定は加害者の家族、この場合は弟になるが、身元を隠すように生きて行くのが主題だが、日々、加害者がとめどなく生まれる世の中で、ここまで卑屈になって皆が生きて行っているのかと些か疑問に思うが私自身、加害者の家族になったことがないので何とも言えな。

職場、結婚、付き合いと姓名からバレるのではないかとヒヤヒヤしながら身を小さくして生活せねばならないとしたら、やはり、犯罪を犯した肉親を恨むかも知れない。

肉親ゆえに許す、ましてや自分の為を思って犯した犯罪ならなおさら自愛をもって受け止める、そんな悠長なことは言っていられない、主人公を追い詰めていくのが本書のベースになっている。


東野圭吾の本は売れっ子作家だが、特にこれは名作の呼び名も高い作品で確かに多くの人が読んでいる。

 

ポチッ!していただければ嬉しいです ☟