本書は、第100回直木賞受賞作(1989年)で、しばしば最後の浮世絵師などと言われる小林清親を扱った時代小説だが、これがまあ、本当によく出来た作品で驚いた。
因みに小林清親とは下のような絵を描く人で、従来の錦絵に西洋の遠近法を取り入れた手法で、これが予想外に売れ一躍人気絵師になったようだが、現代に生きる私が見ても、この寂とした風景が、失われた善き時代を偲ばせて郷愁をいざなう。
内容は虚実織り交ぜて書いているのだろうが、ストーリとしてはどこまでもよく出来ている。
本当に天晴れな時代劇で非の打ち所がない。
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