まあ、はっきり言えば、これの何がいいの?
羽鳥誠一の家に、「わたしをお妾にしてくんない」と、すみ子が転がり込ん出くるところから物語は始まり、何となく同棲、その後、何となく結婚し、何となく離婚する。
しかし、二人は離れられず、また何となく一緒に住み始める。
腐れ縁なのか、決断力がないのか、私小説的なものらしいが、煮え切らない二人の関係が理解出来ないわけではないが、文学としてはどうも深みに欠けるように思うのだが。
結婚の意義、孤独の埋め合わせ、性的意味合いでの男女の同居など、もう少し掘り下げても良かったように思うがどうっだろう。