突撃隊幕僚長エルンスト・レームは結局ダッハウ強制収容所内で射殺されてしまった。
ナチが政権獲得に至るまでの貢献は計り知れないが、国防軍との対立が激しい突撃隊の
排除に乗り出したゲーリング、ハイドリヒ、ヒムラーらの謀略で200人以上の突撃隊幹
部、政敵、反ヒトラー分子らが捕えられ、親衛隊の超法規的措置で法的手続きを経るこ
となく処刑されている。
これが所謂「長いナイフの夜事件」でルキノ・ヴィスコンティが『地獄に堕ちた勇者ど
も』(1969伊・西独) として映画化している。
主役はダーク・ボガードだがヴィスコンティお気に入りのヘルムート・バーガーもしっ
かり出ている。
ともあれ、生前、レームはこんなことを言っていた。
「あのふざけた伍長の言う事に何の意味がある。俺はこんな協定全く守る気はない。ヒ
トラーのような裏切り者は追い出さねば駄目だ。奴を排除した後、我々が権力を握るの
だ」