愛に恋

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オトナの保健室: セックスと格闘する女たち 朝日新聞「女子組」取材班

 
いじめ、飲酒運転、パワハラ、痴漢など毎日のようにニュースになるが、「なくそう不倫」という標語はさすがに聞かない。
芸能人が不倫をすると、頭文字に「ゲス」と烙印を押されるようになった昨今、しかしどうだろう、不倫に関しては万人が非を唱えているわけではないような気がするが。
 
ともかく、男と女ある限り不倫は絶えることはないと思う。
本書は男性にこそ読んでほしいとあり、サブタイトルの『セックスと格闘する女たち』が気に入ったので早速本屋にひとっ走り。
是非とも格闘してもらいましょう。
 
終わりに酒井順子(エッセイスト)と村山由佳(作家)の対談があるが、その中に「みんな『かつえて』いる」と書いているが本当だろうか?
「かつえている」という表現は、私の人生経験の中で女性から聞いたのは、ただの一度きりしかないが、これを一般的と言うかどうかは微妙なところだ。
「かつえてる」とは、餓えてると書くがニュアンスとしては飢えているよりもう一段階ランク上の表現だろう。
さて、セックスに関して今や女性も声高に発言するのはいいことだと思っているが、こんな話をどう考える。
 
「タイでは夫がSEXを出来なくなったら別れる。SEXがないなんて絶対ありえない」
 
これでは男は堪らない、どうしたって役に立たなくなるのは男の方が先に決まっている。
SEX産業が盛んなタイならではなのだろうか。
ところで美人脳科学者で有名な中野信子さんという人を知っているだろうか?
いつもカツラを被ってテレビに出て来る個性的な女性だが、この人の近著にそのものズバリ『不倫』という本がある。
それによると、
 
近年の脳科学の劇的な進歩によって、「人類の脳の仕組みは一夫一婦制に向いているわけではない」ということがわかってきました。
 
とある。
更に、
 
不倫は危険です。ひとたびバレれば、マスコミやネットで容赦なくバッシングされます。有名人でなくても、社会的信用や家庭を失い、慰謝料など経済的なリスクも多大です。しかし、これほど失うものが大きいとわかっているはずなのに、なぜ不倫カップルがそこら中にいるのでしょう?
 
そう、不倫は人類の文化なんです(笑)
本書にもこのように書かれている。
 
結婚契約が「パートナー以外はダメというお約束」だとしても、契約を破っている人はたくさんいます。合意で違反しているカップルもいます。そもそも身体の性的使用権を、たった一人の異性に生涯にわたって譲渡する契約など、不自由で不合理。守れない約束はしないものです。
 
とにかくこの本は面白い。
続けよう!
 
夫に求めたら「変態」と言い放たれた女性がいたそうですね。その時点で夫婦関係は終わっています。
 
確かに、それは言ってはならない一言だ。
あまりにも妻、女性の性欲に無理解で、こんな男は捨ててしまえ。
更にエピソードとしての投稿には、
 
14年間の結婚生活で両手で足りるほどだった。会社員女性(47歳)は3年前、「おかしくなるくらい悩んで」離婚した。セックスがこんなに人生を支配するなんて、独身のときは考えてもみませんでした。セックスがないことよりも、つらさを訴えたとき、無視されたことに失望しました。
 
または、
 
家庭で自分が存在していることの承認要求が満たされない。充実感が得られない。恋愛でこそ、自分が生きていると実感できる人が多い。
 
つまり、情熱は婚外恋愛でと、あるフリーライターの人も言っている。
更に、
 
夫に「したい」と言ったら「お前は変態か」「俺は種馬か」となじられた・・・・。
 
逆にこんな声もある。
 
妻からセックスを拒否されて7年、職場の同僚と関係を持ったら、妻にバレて、もの凄く泣かれて責められて、俺はどうすりゃいいんだ・・・的な。
 
これでは、全く持ってやり場のない欲求不満になってしまう。
大体、一概に不倫は悪と決めつけられるのだろうか。
私は、些かこの説には異を唱える。
夫婦の事は夫婦しか分からないと昔から言うが、浮気、不倫をしたからといって、総て同じ家庭内事情ではない。
 
ハリウッドでは不倫をしても魅力的な人はいくらでもいる。
良き異性を求めて浮気心が芽吹くのは男女の性のようにも思う。
また、簡単に言えば生活力と子供の養育もある。
子供が居なければ離婚するという話もよく聞く。
ただ、夫婦間の問題が顕著になったら誰も彼も浮気してしまえと言っているわけではない、それぞれの価値観に任せ行動すればいい。
 
しかし例えばだ、互いに30代、子供が二人居るが心身共に相性が合わなくなってきたと悟った場合はどうする?
我慢して老後までセカンド童貞、セカンド・バージンで余生を過ごすか。
そんなことが可能永徳!
何も私は世間に向かって不倫講座を開こうとしているのでもなければ奨励しているわけでもない。
ただ、ごく個人的には、そんな結婚生活は御免蒙りたい。
 
大体が夫として妻としてどうなの!
何べんも言うが、セックスは夫婦にとって良き潤滑油ではないのか。
よく芸能人で円満離婚と公表するカップルがいるが、円満離婚とは何ぞや!
取り立てて問題もなく別れたということか。
「じゃ、またねぇ・・・」ってか。
 
誰に於いても言えると思うが、離婚には相当なエネルギーを使い、数か月、いや数年前からセックスレスになるのが当たり前で頻繁にセックスしていて、明日、離婚なんてありえない。
それだったら別れる意味は何だ!
 
変な話だが不倫しているからこそ、家庭内がマルクス・レーニン主義、いやいや、丸く治まっている場合もある。
妻、亦は夫にとって欲求を外で満たすことで、万端、滞りなく善きに計らえと言うわけだ。
 
以前、フランスのミッテラン大統領だったか、外に隠し子が居ると騒がれた時に「そうだよ、だから何?」と平然としていたことがあったが、男と女の事は為るようにしかならない。
鯉は思案、いや、恋は思案のほかと言うではないか。
 
いろいろ書いたが私は不倫、イコール、ゲスとは思わない。
勿論、ゲスの場合もアリエールが、まずはじっくり両者の話を聞いてみなくては他人様には分からない領域がセックス事情。
この世には、昔から不倫あったればこそ生まれて来た人も無数に存在する。
不倫は御法度、咎(とが)人は死罪適用となっていれば、それら婚外子の存在意義たるや如何に!
 
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