天は二物を与えずというが、これは嘘だろう!
神様は我々に二つの才能や資質を与えないという。
それどころか、天は殆どの人に一物さえ与えないのが現実であって、私などは一物どころかゼロ物といってもいい。
ところがどうだ。
マリア・シャラポワを見るがいい!
身長184㎝だったか、もうモデル並みのプロポーション、ファッション雑誌の表紙さえ飾れるだろう。
私がいちいち書くまでもなく、映画界、音楽界と二物を兼ね備えた人は山といるではないか。
私が若いころなんか、エルビスのラスベガス・ショーを見て羨ましかった。
もう、なんと言うか、ブロンドの美女たちがキスを求めてハンカチを出す。
エルビスは汗かきなので、そのハンカチで汗を拭き、キスをプレゼントする。
女性からキスをおねだりするなんざ、当時の私にはあり得ない現象だった。
テレビを廃棄処分にしてやろうか、私だって汗かきだ!
16才の私は、キスはまだ未体験。
まあ、そんな話はどうでもいい。
今日の主人公はデヴィッド・ギャレット。
現在37才、父親がドイツ人で母親がアメリカ人、かつての敵国同士ではないか。
ヴァイオリニスト兼モデルだってさ。
へぇ、どうせ私はしがない平民ですよ。
2004年にジュリアード音楽院卒業。
そうですか、どうせ私は名もない学校の卒業生ですよ。
分ってますよ、どうせ、その目で悩殺するんでしょ。
貴方に口説かれたら嫌と言えませんよね。
話しかけられるだけで女性は舞い上がってしまう。
私なんざね、言いたかないけど加齢臭や歯周病で、電車に乗ると若い子はみんな居なくなって残ったのはオバサンばかりになってしまうのですよ。
あぁ嫌だ、いやだ、年は取りたくないもんだ。
しかしね貴方、「チャルダシュ」いい曲ですね。
ジプシー音楽は哀愁があって大好きです。
負けました、貴方みたいな人が弾いてこそ、この曲もさめざめと、いや、活き活きと観衆の胸を打つことでしょう。
しかし貴方、名前からしてデヴィッド・ギャレットなんてモデルじゃないですか。
私なんか丸出ダメオですからね。
仕方ない、うっとりと聴きますよ、うっとりとね。