愛に恋

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ヒキコモリ漂流記完全版 山田ルイ53世

 
本作は大手出版社113人の投票によって『編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞』に輝いたとあるが、私としては、どうも納得がいかず異議というか疑義というか腑に落ちない。
著者を最近、あまり見かけないと思たら、こんな本を出版していると知って買ってみたのだが「ヒキコモリ」というには やや大袈裟のような気がするのだが。
 
鬱勃とした精神の病みというものが伝わって来ない。
心の澱みがあるなら共鳴もするがヒキコモリとなった原因からして釈然としない。
主観的感想なのでご容赦願いたいがヒキコモリになる動機には当然個人差があるべくして他人には「えっ、そんなことで」と思われるようなことで発症することもあるやも知れないが、ルイ53世の場合は心療内科的処置を有するものではないような気がするが如何に。
 
少し厳しいような感想をだが序に書いておきたい。
前半110ページあたりまで「神童的」子供時代を縷々述べているが、確かに自虐的に神童という言葉を入れているのかも知れないが、そうたびたび神童と言われるとどうも穿った見方をしてしまう。
更には多感な子供時代の傷心を現代の漫才用語のような文法で表現するのもどうかと思うが。
あまりウケ狙いはこの場合は必要に非ず。
 
ヒキコモリになったきっかけは登校途中の脱糞で、その後、父にドロップキックをされたからとあるが、うん・・・解らない!
本人が言うには。
 
結局、それがすべてではないが、ウンコがきっかけで、あそこまで長い長い引きこもり生活がに自分が突入するとは、その時の僕は思ってもみなかった。
 
神童だった僕がウンコをきっかけに奈落の底を覗くことになったということか。
これまでの人生を振り返って箇条書きにするとこうなるらしい。
 
・中学受験に合格
・ウンコを漏らす
・引きこもり開始
・苦し紛れの高校受験に失敗
・結果、二十歳まで六年間引きこもる
・大検取得
・大学合格
・二年ともたず失踪
・上京
・芸人として、下積み生活
・借金で首が回らなくなる
・やっとこさ一回売れる
・そして今
こんな嫌なマスが多いスゴロクも珍しい
 
と、ご自身言っておられるがどうだろうか?
家族構成は両親と男三兄弟。
ルイ53世は次男なので長男が52世、三男が54世になるのか?
しかしながら瓦解したブルボン王朝ではないが、この20年間で両親に会ったのが2回で兄弟に至っては1度も会っていない、これはもう家族とはいえない。
 
ヒキコモリを含めてどこに問題があるのか分からないが、家族でありながら互いに連絡を取り合わないなど、あまり感心しない。
ともあれ本人は結婚して一児の父にもなったらしいので、二回目の売れ筋を狙って本業で頑張りまたテレビで見ることを期待している。
 
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