マイ・ストーリー 山本容子

 
 本書は14年前に書かれたもだが、いつだったか講師をしている彼女のドキュメンタリー番組を見てとても魅力的な女性だと思ったのを記憶している。
2回の結婚と1回の同棲経験があり子供はなく、逞しく独自の道を切り開くバイタリティ溢れる女性かと思う。
読了後、印象に残った言葉に、
 
「ずいぶん男っぷりのいい女の人ね」
 
という褒め言葉を挿花家の人から言われたと書いてあったが、なるほど確かに上手いことを言う。
逆に同棲相手から、
 
「自分できちんと考えずに受け売りをするのはやめろ」
 
と言われたと。
男に対する独占欲も人並みにありそうだが、
 
「自分を動かしているのは別の原理のようだ」
 
「男と女の間にあるのはセックスだけ、というありがちな発想は、あまりにも貧し過ぎるのではないか」
 
「しかし52歳になりさまざまな恋や修羅場をくぐってみれば、日の下に新しいことなし」
 
「セックスは芸術の未来を切り開く武器にはならない」
 
大胆且つ奔放な発言で興味深い。
大体、自己の性について冷静且つ沈着に分析できる女性は概して知性派が多い。
彼女には生を貪欲に愉しむための自己管理術があるらしい。
酒も呑めばタバコも喫うし運動もしない代わりにアルゼンチン・タンゴを練習している。
養老孟司の説では「すべては遊びでないと続かない」
うん、なかなか奥が深い!
 
とにかく彼女は忙しい。
大学の講師をやりながら作品制作、取材にテレビ出演、フランス料理を習い、立川志らくの追っかけ、美術館鑑賞、芝居、映画、サッカー観戦、釣り、競馬、カヌー、そして最高の贅沢が読書時間をゆったり取るために5月と8月にバリへ。
何とも羨ましい。
私の読書モスバーガー通いとは訳が違う。
 
「また、どこかの街角や美術館でお会いできる日を、楽しみに」
 
と最後にあったが、まあ、そんな日はないと思うが。
 
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