愛に恋

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沸騰!図書館 樋渡啓祐

 
以前、ニュース番組の特集でこの図書館のことを紹介していた。
夢のような図書館だと友人に絶賛しらぐらい素晴らしい。
 
 
しかし所在地が武雄市
何処に在るのってなもんです。
佐賀県らしいが武雄市なんて聞いたこともない。
俗に薩長土肥などと言うが名君にして誉れ高い鍋島閑叟(かんそう)の旧所領地。
 
 
その武雄市に2006年、全国最年少市長として登場したのが本の主役、樋渡啓祐36歳。
その樋渡市長、以前から図書館の運営方法が気に入らなかったらしい。
静かで閉鎖的、人気作品には予約が殺到、閉館が早い、座席が少ない、司書は不愛想というのが武雄市に限らず、どこにでも見られる一般的な図書館のイメージだと市長は言う。
 
その市長が林真理子と対談した時に話題になったのが「複本」という制度。
つまり同じ本を何冊も図書館側が購入することで、予約の待ちを少なくさせるというシステム。
市民が喜ぶのだからいいじゃないかと思いきや作家としては「エサが少なくなってきた鶏」ということになるらしい。
図書館が大量購入することによって市民はただで読めれる訳だが作家の印税は図書館の購入分だけ。
なるほど、確かに。
 
さらに複雑なのは図書館には日本十進分類法というものがあり一般の人には解り難い。
例えば釣りは趣味の分野ではないかと思うが実は「芸術」になり、ぺットは「産業」分野で、ペットの衣類は「技術」という分類法を取るらしい。
改善したいのは山々なれど何を言っても誰も請け合ってくれず、
 
「そういう決まりですから」「昔からそうなっていますから」
 
の一点張りで埒があかない。
たかが図書館如きに市長がそこまで情熱を燃やすことはないというわけだ。
ある日のこと、風呂上がりに自宅でカンブリア宮殿を見ているとTSUTAYAの社長が出ていたので興味深々、それまで市長は事あるごとに、
 
「あのTSUTAYAを見習ってくれ」
 
と何十回も教育委員会や図書館スタッフに言ってきたらしく、そのTSUTAYAの社長が出演とあっては見ない手はない。
以来、TSUTAYAの運営法に惚れ込んだ市長は一念発起、これはもう是非にも社長に会ってお願いするしかないと決断して上京。
図書館の指定管理者を教育委員会からCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)に移し、念願だったスターバックスを導入して飲んで、休めて、読める、夢の図書館造りに動き出す。
 
そして2013年4月、念願の図書館がオープン。
人口、僅か5万弱の市にこの巨大な図書館。
羨ましい限りです。
勿論、市長は言っている。
 
何十億の金を注ぎ込んで大型の観光施設を作り、現在は廃墟と化し取り壊しも、ままならない無用な施設にならないよう最前の努力をしていきたい。
 
幸い、徒歩10分圏内に小・中・高校に市役所、そして武雄温泉、図書館にショッピングモール、スーパーとあり宮様にも御来館戴き経済効果は20億円を超えたとか。
で、リニューアルの前後で図書館がどう変わったかというと! 
 
          前      後 
 
開館日       295日    365日 
開館時間      10~18時   9~21時
開架スペース    1140㎡    1572㎡
児童図書スペース  155㎡    217㎡
館長室スペース   29㎡      なし
カフェスペース   なし     299㎡
 
蔵書数       18万8321冊  21万1096冊
座席数       187席     279席
職員数       19人     62人
司書        15人     13人
自動貸出機     なし      あり
 
序に我が街の図書館はというと以下のとおり。
 
開館時間
 
火曜日~金曜日 10時~19時
  • 土曜日・日曜日・祝休日 10時~午後17時
 休館日
  • 月曜日・第3木曜日(国民の祝日と休日にあたる場合、及び7月21日-8月31日の期間の月曜日は開館)
  • 蔵書点検期間
  • 毎月末日
  • 年末年始
  • それぞれのスペースは分かりませんが児童図書スペースはあります。
 蔵書数 約7万冊
 飲食は禁止。
 司書、並びに職員は4~5名。
  • 座席数 7席
  • 我が街の図書館は市立ではなく区立ですが人口17万強。
  • それにしても座席数7席って区長、何とかなりませんかね。
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