青春デンデケデケデケ 芦原すなお

 
第105回直木賞受賞作、ロックに魅了された60年代の高校生らを描く青春小説で、時代の空気感はその当時を生きた者としてよく分かるが、やはりこの手の小説を読むには少し年を取り過ぎたか感動がなかった。
解説にはこんなことが書かれている。
 
あの1960年代は、この地球という生命体そのものにとっての、奇蹟のような青春の時代だったのだ、と学者は言う。
 
そして、
 
四季がまことに四季それぞれを誇らしく表現し得たあの時代は、もうこの地球には二度と戻って来ないのだから、
 
どういうことか?
60年代に青春を送った一部の先輩は気概に飛んでいたという印象がある。
あの混沌とした時代に本物の在りかを求めて手探りしていたような。
ある者は機動隊とぶつかり、ある者はヒッピーになり、ある者は薬漬けになり、それらを冷静に見て無難に生きる者も。
 
しかし、デンデケデケデケというよりはテケテケテケテケというサウンドは確実に若者の心を捉え後戻りの出来ない時代の幕を開いた。
戦中派世代が眉をひそめていることは知っていたが戦後派には無くてはならないエレキ・サウンド。
天才が現れる時代にあって戦中とは違う意味の、バスに乗り遅れるなの旋風が吹き荒れていた。
そういう意味でこの小説は、田舎に育った少年の心情をよく表している。
 

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