木暮荘物語  三浦しをん

 
舟を編むという辞書編纂に情熱を傾ける青年の映画を観たが、三浦しをんという作家はまた馬鹿に堅苦しい本を書く人かと思っていたら豈図らんや。
この作品は7編からなる短編連作小説だがいずれも通底するのはズバリ、セックス!
木暮荘という古い木造アパートで繰り広げられる人情話しかと思いきやすっかり騙された。
 
たとえば臨終近い70歳過ぎの友人を木暮荘の大家が見舞いに行く場面があるが、病室で聞いた病人の意外な言葉!
 
かあちゃんにセックスを断られた」
 
医師の許しが出て最後の一時帰宅の折りに妻にこの世の名残か情交を迫って断られたというのだが小暮老人は驚いている。
 
「実際に体が用をなす状態になるとは思えない。しかも相手も皺くちゃのばあさんだ」
 
皺くちゃはともかく、この期に及んでそんな欲求が出るものだろうか、甚だ疑問だがしょうがない小説にはそうある。
 
性は人間の根幹を為すものではあるが女流作家が斯くもあからさまに男女の営みを放言して憚らない様は男をしてたじろがせる。
不埒にも大胆な発言「入れて揺れて抜く」と言われて女性もついにここまで進出したかたと喝采したい気持ちだ。
 
内閣に「女性活躍担当」という部署があるが将にこれである!
愛と性は切り離せないものだが性と文学も、否、芸術と性は表裏一体を為すものでもあろう。
三浦しをんという女性の豊かな発想力と創作力の幅に興味深々。
平成の女性作家を応援した。
 

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