「ダビデの星」を拒んだ画家フェリックス・ヌスバウム 大内田わこ

 
1904年12月11日、ドイツ系ユダヤ人として生まれ、1944年8月9日、アウシュビッツで死亡した画家フェリックス・ヌスバウムと言っても知らなかった。
父フィリップはドイツに対する強い愛国心の持ち主で、第一次大戦でドイツ軍兵士として従軍、一級鉄十字章を受けたが収容所で命を落とした。
 
絶滅収容所、その恐怖たるや筆舌に尽くしがたい。
家畜用列車に乗せられ収容所へ移送、人間扱いされない劣悪な環境での生活。
パリで17歳のユダヤ人少年がドイツの三等書記官を射殺したことが原因となって起こった「水晶の夜」にしたところでおぞましい一日だ。
 
そんなニュースに脅えながらヌスバウムは亡命者としてベルギーに住んでいたが、中立を宣言していたベルギーにドイツ軍が侵攻すると敵性外国人としてベルギー政府に捕えられ収容所送りになった。
フランス降伏後に一端解放されドイツ軍支配下のベルギーに戻って友人宅に匿われる生活。
 
ゲシュタポに踏み込まれた時の恐怖など考えると生きた心地がしなかったはずだが、ドイツ系ユダヤ人の場合は迷いもあり、自分たちはドイツに受け入れられるだろうという甘い観測が結果的に命取りになる。
1944年6月20日、友人宅の屋根裏を隠れ住まいとしていたヌスバウム夫妻はゲシュタポに逮捕されアウシュビッツ送り。
幸い友人に預けられていた作品が数多く残り記念館も建てられたが作品はどれも暗い。
忍び寄る恐怖をそのまま絵にしたようなものが多い。
 
 
        「ユダヤ人証明書を持つ自画像」
 

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