愛に恋

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仁左衛門恋し 小松成美

 
時代劇俳優で誰が好きかと訊かれれば迷うことなく市川雷蔵と答える。
子供の頃から『眠狂四朗』の大ファンで、よく円月殺法を真似したものだ。
特にあの決め台詞が堪らない。
例えば・・・!
 
「酒はひとりで呑むものと決めておる」
「男は総じて美人の肩を持つ」
「仇討ち本懐。貞女の鑑だ」
「昔を偲ばせる美人の相じゃ」
「御家老、この業物は無双政宗、御賞味願おうか」
 
またある時、旅籠の二階で休憩していると、後を追って女がやって来る。
すると狂四朗が「どうしてここが分かった?」と訊く、返す女の答えが良かった。
 
「黒の着流しにぞっとするようないい男、看板背負って歩いているようなものじゃないか!」
 
余談が長くなったが30年程前だったか、その眠狂四朗を片岡孝夫が演ずる番組があった。
それ以来、この人に興味を持つようになる。
父の13代片岡仁左衛門を知ったのは『男はつらいよ』、川端で下駄の鼻緒が切れて困っているところに寅さんが現れ、ささっと鼻緒を直す場面が何とも印象に残った。
 
現在は孝夫が15代片岡仁左衛門を襲名、親子なので当然だが二人の顔立ちはよく似ている。
個人的に歌舞伎役者には畏敬の念を抱いており容易に近寄り難い。
伝統たる様式美を受け継ぎ次代に伝えていくことの職責を考えると気が遠くなるような重責を感じてしまうからだろうか。
そのたゆまぬ精進にはただただ頭が下がる。
 
勿論、歌舞伎に関しては門外漢の私。
文章を読むより素人の私には写真集を見ていた方がいいのかも知れないが、とにかく読みたかった。
インタビュー方式なので素人目にも分かり易くとても面白い内容で、ますます仁左衛門さんのファンになったかも知れない。
 
しかし、未だ嘗て一度も歌舞伎を鑑賞したことがない。
これではいけませんね。
因みに子供達に言わせると!
 
「お母さんの趣味はお父さん」
 
らしい。
 

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