居眠り狂志郎の遅読の薦め

未だ休読日に至らず

あい 永遠に在り 高田郁

 
司馬遼太郎作品に『胡蝶の夢』という奥御医師・松本良順を描いた作品がある。
確か単行本で全5巻だったと思うが、登場人物の一人に関 寛斎なる蘭方医がいた。
がしかし、読後、何十年も経っているので内容は殆ど忘れてしまい、関 寛斎のことはすっかり失念いた。
 
そこへ持って来てこの『あい』という小説は関 寛斎の妻が主人公だが作者が言っているように、あいについての資料は極めて乏しく、殆どが想像から成り立っている本。
ただひたすら夫に尽くすあいの姿を描いている。
時代背景は幕末から明治という激動の時期だが、妻として女としてのあいの姿だけを描いているので世相や倒幕、王政復古などの記述は極めて簡略的でスピーディに進んでいくあたり、何か物足りなさを感じる。
 
ひとりの女が夫に生涯を捧げる純愛に終始している。
司馬作品の特徴は大きな時代のうねりな中の個人というものを捉えているが、逆にこの作者は個人の生活感の中からみた世相という書き方をしているのでひとりの生涯を語るには少し短すぎるようにも思えたがどうだろう。
 

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