愛に恋

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快楽 更年期からの性を生きる 工藤美代子

 
工藤美代子という作家の名前はよく目にするが、主に歴史ノンフィクションや評伝ばかり書いている人だと思っていたら、豈図らんや、こんな主題の本まで書く女性だったとは意外や意外。
快楽と書いて「けらく」と読ませているが要はタイトル通りの内容。
閉経、更年期後に女性特有の避けては通れぬ微妙な問題を専門家への取材や友人知人など通じ、どう思い、どうクリアしているのか綿密な取材を基に書いている。
 
男性にも勃起不全という問題があり50の峠を越えるということは実に悩ましい。
クリニックの先生はこう分析している。
更年期の三つの要素。
 
・女性ホルモンの低下
・人間関係を中心とした環境の問題
・気質因子
 
気質因子とは、その人が持っている性格の問題でこの気質因子がかなり重要になるらしい。
つまり何十年も連れ添った相手と更年期を過ぎても性行為ができるかどうか。
更年期後、女性は性交痛という現象が起こるとあるが。
または何年も性行為がないために膣が硬直化、濡れも悪くなる。
他方、男性はEDに悩み出す。
自然と夫婦は性から遠のく。
 
そこで問題になるのが気質因子。
それらそべてを打開するための方策。
家庭を壊さず最良の浮気相手を見つけて交際する。
伴侶が気が付かなければ誰も傷付かず家庭も円満という図式だが。
 
あるデータによると再婚者は別にして更年期世代で性交渉を継続している夫婦は皆無だという報告があるらしい。
取材の結果、更年期世代の女性が胸を時めかせてセックスをする相手は99%が夫以外の男性。
 
なるほど、長年連れ添った夫婦の義務感や年中行事のような白けたセックスではなく、ときめきあるセックスとはこういう結論になるのか。
 
しかし男性はいつまで経っても男を捨てたいとは思はないが、女性はその点、どう考えているのだろうか。
読み終わって一番印象に残った言葉は!
 
「セックスってね、若い頃は引き算になってもいいけど、年を取ったら足し算になる付き合いにしたいですね」
 
うん、しかし浮気の是非はどう考えたらいい。
夫婦間にも無数のケースがあるわけで、一概に浮気は悪だと決めつけられるものかどうか悩ましいが、不倫で心身のバランスを取っている人も必ずや存在すると思う。
是非はともかくも、不倫、浮気は人類史上の文化なのかも知れない
 

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