愛に恋

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或る男の断面 宇野千代

 
『或る男の断面』の或る男とは東郷青児のことで、宇野千代の代表作『色ざんげ』は東郷に書いてみないかと持ち掛けられた東郷自身の心中未遂から宇野との結婚についての話しを仮名を使って語られているが、こちらは全て本名で書かれている。
 
といってもエッセイなので事細かに詳細が書かれているわけではない。
元来、この人には長編というものがなく、代表作といえば『色ざんげ』と『おはん』ぐらいではないだろうか。
二人が別れたのが昭和10年というから、随分昔の話しだが、その別れに至った原因や東郷が故郷鹿児島で急死した件に関しては詳細を極めていない分、何か物足りなさを感じる。
 
つまるところ珠玉のエッセイというのは少し褒め過ぎのような気がする。
ただ、近代女流文学者で宇野千代ほどの美人は他に居ないだろう。
日本人離れした顔立ち、エロチックな雰囲気といい、流石に多くの男と浮名を流しただけのことはある。
故に、その作品よりは奔放な生活ぶりの方が有名になりすぎた嫌いがあると思うがどうだろう。
 

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