居眠り狂志郎の遅読の薦め

未だ休読日に至らず

ためいきのとき 若き夫ジェラール・フィリップの死 アンヌ フィリップ

 
名優ジェラール・フィリップと言っても『モンパルナスの灯』しか観ていないが、何かガラス細工のような繊細な演技で妙に印象に残る男優だった。
没年は59年の11月25日。
僅か36年の生涯で奇しくもモディリアーニと同じ歳で亡くなっている。
本書は未亡人となったアンヌがその苦しい思いをぶちまけたような渾身の作で、病気までの経緯や原因などには一切触れず、ただひたすら、愛する人を失う哀しみだけを吐露している。
 
遺されし者の哀惜の念、身悶えするかのような狂おしい思い、その損失感は如何ばかりであろう。
モディリアーニの妻はアパートから飛び降り自殺したが、愛する人の思いを胸にこれからの人生を生き永らえるのは断腸の思いで私なら堪え切れるか自信がない。
 
鼓動が途絶えるのを見守り、今後、独りで生きて行けるかを考える。
幸いにも2人の子供が居たことが救いになり彼女は1990年まで存命した。
人間、幽明境を異にすることほど辛いものはない。
 

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