居眠り狂志郎の遅読の薦め

未だ休読日に至らず

装丁家

私は昔から夢というものを持ったことがない。
大言壮語が多く単なる夢想家に過ぎずエジプトへ行ってミイラを発掘するとか、ミッチミラー合唱団に入るなどと嘯いてばかり。
ああなったらいいな、こうなったらいいなと言って人を煙に巻き何ら成し得ていない。
つまり、臆病で器が小さく人の上に立つことが苦手な小心者、無用之介という名前でもよかったのではないかと思っているぐらいだ。
 
しかし、夢は無くとも憧れはあった。
それもどうということのない程度のもので言うのも恥ずかしや単なる「活字中毒者」になりたかっただけの話しなのだ。
現在の私が活字中毒かどうかは自分でも判らないが活字に依存しているのは確かで定期的に本を買わないとストレスが溜まる。
江戸時代、一定の間隔を置いて吉原に上がる旦那衆みたいなものだ。
 
更にいつの頃からか古本の魅力に憑りつかれ古書店古書市に足を向けるのが常のこととなり『古本病のかかり方』という本があるを知って長篠に現れた織田の軍勢を見て安堵した家康のような気持ちになった。
 
そして近年、目覚めたのが復刻本との出会い。
古書巡りと違って復刻本はアナタ任せでこちらの意のままにはならない。
何が出るかな、何が出るかなの世界。
で、遂に待望久しい本が復刻されることに相成った。
 
やって来ました倦怠期、不貞腐れ女房は家出して
 
いやいや、話術の神様、徳川夢声『話術』が初めて新潮文庫として登場。
何ゆえか、これまで新潮は夢声作品を扱ってこなかった。
初版は1947年、古色蒼然たる『話術』が蘇る。
断然買うべし!
じゃ~~~ん!
 
 
ところでだ、本日の主題は夢声ではない。
最近、本の装丁で頓に見かけるこの書体。
一体、誰が書いているのかと常々思っていたが平野甲賀という人らしい。
1938年生まれとなっているので御年80歳か。
肩書はブックデザイナー、または装丁家というらしいが、いやはや実に魅力的な文字を書く。
又しても大言壮語で申し訳ないが、もし私が本を出版する運びとなった暁にはこの方にお願いしたと、斯く思う次第である。
少し作品を載せておきない。
 
 

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