そう言えばこの本を読んでいて長く忘れていた『氷雪の門』という映画のことを思い出した。
調べてみると1974年というからもう40年以上も前の映画になる。
即ち、昭和20年8月20日、実際に起きた事件の映画化というわけで、本書はその日、何が起きたのかを詳細に調べ上げた作品ということになる。
その数時間前に真岡郵便局より北にある幌泊(ほろとまり)監視哨から緊急連絡が入る。
「ソ連軍艦四、五隻、幌泊沖で進路を変え真岡方面に向かった」
という知らせに真岡郵便局内は一挙に緊迫。
まだ、夜が明けきらないうちの連絡だったために、ただちに総員起こし。
彼女たちは電話交換手。
ここのきて交換手たちは腹を括くり各自、青酸カリを所持。
しかし、仔細に本を読んでいくと、彼女たちの自決はやや早まった感が否めない。
逃げるという選択肢を選ばず、ソ連兵が局内に乱入もしていないうちに服毒している。
あくまでも純潔を守ろうという意気込みは分らぬではないが。
それにしても怪しからんのはソ連軍である。
20日の戦闘開始から終結までの2週間で日本人の死者は4200人。
8月15日の無条件降伏で全ての戦闘は終了したはずではなかったのか。
自決直前、一人の女性が他の郵便局に最後の電話した。
「みなさん、これが最後です。さようなら、さようなら」
全員が殆ど躊躇いもなく青酸カリを飲んだようだが、しかし大和撫子、あまりにも痛ましい最期だった。
昔、畠山みどりが『氷雪の門』なる歌を唄っているようだが全く知らない。
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