純情無頼 小説阪東妻三郎 高橋治

 
私が観た阪妻作品ではっきり記憶しているのは『血煙高田馬場』だけで無法松の一生』は観たような気もするが、しっかりした記憶はなくサイレント時代の名作『雄呂血』に至ってはストーリーさえ知らない。
阪東妻三郎という人は俳優がプロダクションを作った第一号らしいが、とにかく大正末期から昭和初期の日本映画史というのは勉強不足で読んでも良く解らない。
 
理由は当時の映画関係者を殆ど知らないためばかりでなく変遷を繰り返す会社の歴史がまず覚えきれない。
名匠、巨匠と言われた監督は、その名前ぐらいしか知らないので昭和初期の活動写真の歴史に関して殆ど語れない。
例えば牧野省三伊藤大輔稲垣浩衣笠貞之助、山中貞夫と名だたる監督や社長、重役、脚本家、助監督と入り乱れて出てくる本書は阪妻本人の生涯を読むだけでは済まない。
 
ただ、阪妻と言えば日本映画史上最大のスターだけに、脚本から役者の人選に至って、気に入らないと撮影には出て来なかったらしい。
仕方なく、監督や脚本家が折れるぐらい、その権勢は凄かったようだ。
金使いも派手で祇園街の芸者を買い占めてみせたというエピソードもある。
 
因みに『雄呂血』は軍の検閲で『無法松の一生』は戦後GHQの検閲で、もう完全版としては観ることが出来ないらしい。
それを補っているのが三船版の『無法松の一生』。
また、遺作となった『あばれ獅子』は七割ほど出来上がっていたらしいが阪妻の急死により未完に終わったとあるが、今日、その作品は観ることが出来るのであろうか。
彼の死は昭和28年7月7日、七夕の日で満51歳。
 
著者の高橋治という人は直木賞作家だが松竹に助監督として入社した経歴があり、その関係で阪妻の長男、田村高廣とは数十年来の友人にして親友の関係にあったことから、この本の誕生に至ったとか。
いずれにしても、もう少し映画史を勉強しないと理解するには至らない。
 

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