愛に恋

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Ain't No Way  Aretha Franklin

三人のお母さんと一人のお父さん。
 
先日、車椅子に乗せられ娘さんに押されながら病院へ向かう煙草屋のお母さんを久しぶりに見ました。
5年程前までは会うと必ず同じ話しをしていましたが、それでも一人で食堂に行けるほど元気だったお母さん。
娘の頃に父と一緒に富士山に行った話と戦時中、三菱の女子挺身隊に従事した話しが好きで嬉しそうにいつでも話していたお母さん。
しかし、今は私を見ても誰だか分からなくなっていました。
 
私の大好きなコーギー犬の飼い主のお母さん。
年は80代と聞いています。
以前は毎日、愛犬の散歩でいつの間にか私と犬は大の仲良しに。
そのお母さん、ここ3年程ですっかり痩せて一年程前に家で転倒。
病名は分かりませんが最近は肺炎が治らず毎週金曜には病院通い。
愛犬は27㌔もある肥満体なので最近は散歩に出かける事も稀になりました。
 
私のマンションの二階に住んでいる75歳のお母さん。
3週間前ほどだったか部屋の前で倒れ込んで同マンションの女性が二人がかりで部屋に引き摺りこもうと力づくで引っ張り込んでいましたが痩せているくせに二進も三進も行きません。
日頃仲良くしているので私も加勢に参上。
しかし、これが滅法重い。
どういうわけが手足が全く動かない。
腰痛の私も、こうなっては仕方ありません。
渾身の力で抱きかかえやっとこさ部屋の中へ。
 
しかし、明るい所でお母さんの顔を見ると何やらホッペが赤い。
これは熱があると思い早速計ると8度6分。
アイスノン、熱さましシートで取り敢えず寝かせ、10時に見に来るからと言付けしたものの何か気になる。
7時半に行ってみると絨毯の上にオシッコをした模様。
これは一大事。
 
「お母さん、救急車呼ぶよ」
 
と云うものの。
 
「ちょっと待って」
 
の、一点張り。
幾ら説得しても拉致があかず。
取り敢えずは一端引き下がり、更に9時半に訪問。
するとリビングまで這って来て何とかトイレに行こうとした様子がありあり。
結局、立つことが出来ずリビングでお尻を半分出したまま排泄。
私はお母さんを後ろから抱いたまま約30分、説得。
明日はリハビリ科に行くと云うお母さんを、今はそれどころではないと強く熱弁。
漸く説得に応じ救急搬送。
未だ退院ならずも、あの時点で熱は9度4分。
後で分かったことだが病名は肺炎とリュウマチ
一刻を争う状態だったとか。
 
饅頭屋のお父さん、数年前に家で転倒して以来、徐々に痴呆症が進み、5年前の大晦日には一緒に町内を火の用心に廻ったのに今は車椅子生活で、私を認識することも出来ない。
今年もまた12月がやって来た。
三人のお母さんと一人のお父さん、年を越せるんだろうか。
心配になってきた。
しかし、そんな私に先日、妹がラインでこう入れて来た。
 
「兄ちゃんも独り住まいだから心配。何かあったら直ぐ連絡頂戴よ」
 
そうか、人の心配ばかりしている年齢でもないということか!
みなさん、元気で年を越しましょうね。
今日のおやすみ前の1曲はこれ!