居眠り狂志郎の遅読の薦め

未だ休読日に至らず

看守が隠し撮っていた 巣鴨プリズン未公開フィルム

 
刑務所、拘置所、収容所などのイメージといえば、広大な敷地を高い塀で囲み、その上には鉄条網があり、監視塔で見張りの兵が銃を持って四六時中見張っている。
草はあっても樹木はなく、運動不足を解消するための小さな運動場、または散歩コースがある程度で建造物も比較的、平面的で殺風景、そんなような印象がある。
 
巣鴨プリズンとは旧東京拘置所を拡張して造ったものだが、現在、その跡地に建っているのがサンシャイン60、そしてその周辺地域を含めてサンシャイン・シティと呼ばれているが、ここが嘗ての巣鴨プリズンというわけで、現在の写真などを見ても全く以前の面影を想像することは出来ない。
 
昭和22年9月ぐらいからは、大陸や南方地域から訴追された囚人が続々と巣鴨に送られ、最盛期には1800名を超えたとか。
一般兵卒から軍官民の指導者たちが戦犯容疑で一斉にここに集められたわけだから、ある面、壮観だったかも知れない。
 
掲載されているプリズン内部の写真は誰が撮ったとは書かれていないが、現在では失われてしまったプリズン内部の様子を知る上で貴重な写真集だ。
囚人たちの写真は今村均大将を除いて殆ど出てこない。
 
プリズンの歴史はサンフランシスコ講和条約の発効と共に管理が米側から完全に日本側に移り、昭和27年以降、中国の戦犯関係者の釈放を皮切りに順次、各国も釈放に応じ、プリズンの役目は昭和33年5月30日を以て全員釈放となり幕を閉じた。
因みに最後のA級戦犯だった佐藤賢了が釈放されたのは31年の3月。
つまり、私が生まれた頃はまだプリズンは機能していたわけだから感慨深い。
 
余談だが俳優のフランキー堺さんが亡くなった時に追悼番組として、昭和33年放映の名作『私は貝になりた』が放送されたが、フランキー演じる理髪店の店主が、戦犯容疑で逮捕され絞首刑になるドラマで、当時、大変な評判を呼んだ番組らしく、私もその機会に見たが確かにいい作品だった。
 
つまり、この本の表紙が、その一場面で頭を刈られているのが佐分利信扮する中部軍司令官。
例によってこの本も現在は絶版になっている。
 
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