居眠り狂志郎の遅読の薦め

喰う寝る読むだけの素浪人です

評伝・伝記

かの子繚乱

瀬戸内寂聴という人は伝記文学の名手だ。どの本を読んでもこちらをぐいぐい引き込む。この『かの子繚乱』も傑作の一つだろう。 昭和の30年代だと記憶するが文豪谷崎に会いたいがため、舟橋聖一に仲介を頼んだと何かで読んだが、その谷崎の学生時代、同級生に…

殉愛 原節子と小津安二郎

本来なら『純愛』と書くのが通常だが敢えて『殉愛』と表記するところに意味深なもを感じる。 並々ならぬプラトニックな愛が存在するかのようなタイトルだが、果たして本当のところはどうなんだろうか。 殉愛とは愛に殉ずるということからして、余程深い思い…

昭和51年『火宅の人』がベストセラーになっていた頃の事をよく記憶している。 しかし、この小説が出るまで檀一雄という作家のことは知らなかったと思う。 私はまだ若く、明治生まれの作家が次々に世を去る瞬間を無為に過ごしていた。 『火宅の人』は完成まで…

ゲーテさん こんばんは

文豪ゲーテなんて知らないもんね~! ショーペンハウアー、カント、パスカル、シラー、ハイネ、な~んにも解りません。 だから、私も訪ねてみたくなった。 「ゲーテさん こんばんは」 そして、話しを訊いてみた。 だが、やっぱり解らなかった。 ただ、天才は…

滝田樗陰 - 『中央公論』名編集者の生涯

長い間の懸案がやっと解決したような気分だ。 あくまでも仮定の話しだが、もし私に文才あらば日本文壇史なるものを書きたいと永年、夢想して来たが、さて、肝心の主役は誰に据えるのか、一向に定まらぬまま月日だけを空費させて今日に至った。 暗中模索の数…

不屈の横綱 小説 千代の富士

あれは、いつの事だったか? 30歳を少し出た頃だと記憶するが、その日、名古屋栄町のとあるホテルのラウンジでコーヒーをひとり飲んでいた。入店した時には気付かなかったが隣の席に大鵬親方が座っているのを見て驚いた。お連れさんが二人、おそらく奥さんと…

危機の外相 東郷茂徳

書棚を見ている。 外務大臣経験者の本を過去、何冊読んだか? 陸奥宗光 大隈重信 加藤高明 小村寿太郎 幣原喜重郎 犬養毅 斎藤実 広田弘毅 野村吉三郎 松岡洋右 東郷茂徳 重光葵。 他に首相が一時、兼任している場合もあるので。 伊藤博文 西園寺公望 山本権…