居眠り狂志郎の遅読の薦め

喰う寝る読むだけの素浪人です

昭和戦史

私はその場に居た 戦艦「大和」副砲長が語る真実 海軍士官一〇二歳の生涯 深井俊之助

歴史を作る者、または変える者とは常に決断であると言っても過言ではない。 古くは日露開戦を控えて編成された連合艦隊司令長官は常備艦隊司令官であった、薩摩閥の日高壮之丞が、その任に当たるのが常道だったが、山本権兵衛海軍大臣は敢えて日高を更迭し舞…

看守が隠し撮っていた 巣鴨プリズン未公開フィルム

刑務所、拘置所、収容所などのイメージといえば、広大な敷地を高い塀で囲み、その上には鉄条網があり、監視塔で見張りの兵が銃を持って四六時中見張っている。 草はあっても樹木はなく、運動不足を解消するための小さな運動場、または散歩コースがある程度で…

時代の一面 大戦外交の手記 東郷茂徳

日本人にとって著名な外務大臣といえばいつの時代でも陸奥宗光と小村寿太郎ということになるのだろうか。 中学の歴史教育でも確か、この二人しか習った記憶がない。 いずれも戦勝国日本の外相ということで殊更にクローズアップされていると思うが、明治以来…

泡沫の35年―日米交渉秘史 来栖三郎

故事に「勝家の甕わり」という言葉があるが、日本人は昔から坐して死ぬより討って出るのを潔しとする習性があるのだろうか。 例えば浅井長政は籠城せずに果敢に討って出たし、石田三成は家康が上杉攻めで大坂を留守にした間を狙って挙兵した。 真田幸村は凡…

インパール作戦従軍記 一新聞記者の回想 丸山静雄

第二次大戦の三大決戦と言えば、エル・アラメインの戦い、スターリングラード攻防戦、硫黄島の戦いとなるが、どれもこれもうんざりだ。 ロンメルとモントゴメリーが北アフリカで雌雄を決したエル・アラメインの戦いは灼熱の砂漠で激闘、両軍を悩ませたのは蠅…

慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件 加藤康男

私が解釈するところの「慟哭」とは最大限の哀しみと涙という意味になる。 無分別に涙の洪水に哀しみと共に押し流されていく一片の木の葉のようなものだ。 これから書くことは現代史の闇に葬られた、まぎれもなく慟哭の叫びで、読んで哀し、聞いて身震い、見…

流れる星は生きている 藤原てい

物語は、何の脈絡もなく突然、昭和20年8月9日夜10時半頃から始まる。 ドアを激しく叩く音で起きた藤原夫婦。 「藤原さん、藤原さん、観象台の者です」 夫と二人でドアを開けると。 「あ、藤原さんですか。すぐ役所へ来て下さい」 「一体何ですか」 「何だか…

ノモンハン秘史 新書版 辻政信

昭和陸軍に無数に存在したはずの将校団で、今日、その名を世に知らしめている軍人は意外と少ない。 東條大将を除けば、石原高級参謀と辻参謀の名は戦史に刻まれ永久に語られる人物として名高いものがあろう。 今回読んだ本の著者は、関東軍時代の辻政信が少…

慟哭の海 - 戦艦大和死闘の記録 能村次郎

以前、NHKの『その時歴史が動いた』で戦艦大和を扱った番組があったが、ゲストの半藤一利さんが、大和沈没の場面を見て。 「悲しくなりますね」 と言っていたのが印象深い。 本当に悲しくなる。 吉田満さんの名著『戦艦大和ノ最期』に有名な場面、兵学校出の…