居眠り狂志郎の遅読の薦め

喰う寝る読むだけの素浪人です

映画・役者関連

千恵蔵一代 田山力哉

最近の人は多羅尾伴内なんて言っても殆どの人が知らないと思うのだが、では片岡千恵蔵と言えば誰のことやら名前と顔が一致するだろうか。 いくら大スターといっても明治生まれでは知る人ぞ知るとなってしまうのか。 俗に時代劇スターの七剣聖と言われた華や…

ナタリー・ウッド事故死で再捜査

おそらく007の影響かと思うが1960年代後半あたりから、日本でもアメリカのテレビドラマでスパイものが大流行。 『0011ナポレオン・ソロ』『スパイ大作戦』『スパイのライセンス』など毎週見ていた。 その『スパイのライセンス』で主役を務めたロバート・ワグ…

老いの道づれ―二人で歩いた五十年 沢村貞子

沢村貞子と聞いて、すぐ顔を思い浮かべれる人は、やはりある程度の年配者なんだろう。 明治41年生まれの貞子の家系は芸能一家で、兄は四代目澤村國太郎、弟は加東大介、甥に長門裕之と津川雅彦がいる。 貞子本人は数多くの映画やドラマに出演したが、名脇役…

女優 瀬戸内晴美

既に絶版になっているが女優の嵯峨三智子がモデルだと知って読んでみる気になった。 嵯峨三智子は山田五十鈴のひとり娘で92年に病没しているが彼女の作品は、おそらく一本しか観ていない。 雷蔵と共演した『影を斬る』で、これがなかなかに面白い。 夫の雷蔵…

サムライ 評伝 三船敏郎 松田美智子

三船敏郎の型破りな人生が感動を呼んだ本だった。 スクリーンで見る三船敏郎とは違う一面を垣間見るようで人間的魅力に惹き付けられる。 三船は19歳から25歳まで、6年間兵役に従事し万年上等兵と言われていたらしい。 終戦時は熊本県隈之庄の特攻隊基地で迎…

高峰秀子の捨てられない荷物 斉藤明美

知ってのとおり高峰秀子には子供が居ないが、著者はその高峰を「かあちゃん」、夫の善三を「とうちゃん」と呼び、夫妻から可愛がられた唯一の人物で養女になった人だ。 週刊文集の記者で、日々の高峰を観察し敬慕の念を持って書かれた本だが、全体的には過去…

偶然完全 勝新太郎伝 田島健太

あの有名な勝新太郎のがん告白会見から、既に21年もの歳月が流れてしまった。 その日、96年11月22日の会見ではこんなやりとりがあった。 酒と煙草は体に悪いからやめたと言ったばかりの勝はその場で煙草を吸い初め、そしてのたまう。 「煙草はねぇ、絶対にや…

原節子 わたしを語る 貴田庄

『原節子 わたしを語る』というタイトルだが本人がこれを書いたわけではない。 残されたインタビューや対談の記録から原節子とはどのような女性だったのかに迫るというのが本書の趣旨。 同時代の女優、高峰秀子が多くの著作を残したのに対し、原節子は生前、…

功、大好き 俳優木村功の愛と死と

木村功と聞いて、まず誰しも思い浮かべるのは『七人の侍』の勝四郎ではなかろうか。 元服前の勝四郎役を演じたために、初めて見たときから、まだまだ若い俳優さんだと思っていたが実際の木村功は、その当時既に二児の父で30歳だった。 黒澤さんが勝四郎役を…

純情無頼 小説阪東妻三郎 高橋治

私が観た阪妻作品ではっきり記憶しているのは『血煙高田馬場』だけで『無法松の一生』は観たような気もするが、しっかりした記憶はなく、サイレント時代の名作『雄呂血』に至ってはストーリーさえ知らない。 阪東妻三郎という人は俳優がプロダクションを作っ…

奇人でけっこう―夫・左卜全 三ヶ島糸

昔のある時期、私は、生涯を共にすべき映画作品として以下の3つを挙げていた。 「レット・イット・ビー」「東京裁判」、そして「七人の侍」 中でも「七人の侍」は、その脚本総てを覚えるぐらい繰り返し巻き戻して見ていたが、それには理由がある。 20代前半…

ゴッホ 最期の手紙

昔から思っていることだが、もし、宮沢賢治に天才性を認めるとしたら、彼の小説のネーミングにあると思うのだがどうだろう。 『銀河鉄道の夜』『よだかの星』『セロ弾きのゴーシュ』などどれも素晴らしい。 中でも私は『銀河鉄道の夜』のファンで、思えば小…

二枚目の疵 長谷川一夫の春夏秋冬 矢野誠一

私には長谷川一夫に対して以前から三つの疑問があった。 時代劇の七剣聖と言われる大河内傳次郎 · 片岡千恵蔵 · 嵐寛寿郎 · 阪東妻三郎 市川右太衛門・月形龍之介、そして長谷川一夫。 後輩の大川橋蔵、中村錦之助、東千代之介、市川雷蔵、大友柳太郎、近衛…

快傑ハリマオを追いかけて 二宮善宏

昭和の30年代、日本のテレビ界は専らアメリカ制作のテレビ映画に頼っていたが、喜んだのは父である。 洋画好きの父は、まるでテレビっ子のように夢中になり、解説付きでいろいろ私に話しかける。 35年頃になると、広告代理店の宣弘社なる会社が国産初のテレ…