愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

原田マハ作品

サロメ 原田マハ

本作はワイルドやイラストレータのオーブリー・ビアズリーより、女優の姉でメイベル・ビアズリーの視点で書かれているように思う。弟の才能を天才と信じるメイベルは、危険な男ワイルドと弟が知りあい接近し『サロメ』の挿絵を描いて、その名を広く世に知ら…

まぐだら屋のマリア 原田 マハ

これは抜群に面白かった。東京・神楽坂の老舗料亭「吟遊」で修業をしていた主人公の紫紋は、料亭で起こった偽装事件を機にすべてを失い、料理人としての夢、大切な仲間。そして、後輩の自殺。自殺覚悟で人生の終わりの地を求めて彷徨い、尽果というバス停に…

奇跡の人  原田マハ

こんな安易なタイトルの本を何故買っただろうと思いつつ読み始めた。 途中まで読んであることに気が付いた。 もう何十年も前の映画だが、アーサー・ペン監督によるアメリカの伝記映画でヘレン・ケラーの三重苦を描いた作品があった。 主演女優賞にアン・バン…

美しき愚かものたちのタブロー 原田マハ

余談だが元老松方正義は、ある日、明治天皇に「松方は何人子供がいるのじゃ」と訊かれてことがあった。答える松方は「え~と、ちょっと家に帰って数えてみませんと」と返答したが、彼は十五男七女という大家族で、この本のテーマとなる松方幸次郎は三男にな…

キネマの神様 原田マハ

最近、小説では朝井まかて、松井今日子、原田マハ。 ノンフィクションでは梯久美子、堀川恵子にハマっている。 女性作家ばかりだが、これは偶然の産物で、とにかく上手い。 本作は第8回「酒飲み書店員大賞」受賞とあるが、そんな賞があったんだ! 今回は美術…

リーチ先生 原田マハ

よく私は、バーナード・ショーと、バーナード・リーチを間違えることがあるが、本書はあくまでもバーナード・リーチの物語である。 イギリス留学中の高村光太郎と知り合ったことから来日し、光太郎の父光雲を訪ね、エッチングの技術とウィリアム・モリスが提…

楽園のカンヴァス 原田マハ

何も事件など起きないが、美術ミステリーといった上等な作品。 著者は経歴からも窺い知れる相当な絵画ファン。 アンリ・ルソーの『夢』を巡って、いきなり読者の心を掴むような展開に、久しぶりに面白い小説に巡り合ったような予感を感じた。 これ以前『アン…

本日は、お日柄もよく 原田マハ

昨今、よく聞かれるところの「お涙頂戴」ありきのキャッチコピーは、どうも違和感を覚える。 「涙腺崩壊」「号泣」「涙がとまらない」 まあ、それはいいとして今回の本、最近、よく聞く作家名なので、どんな本を書く人かと一読してみたのだが、『本日は、お…