ミステリー(読書録)

完全なる首長竜の日 乾緑郎

以前はよくCSテレビで「このミステリーがすごい」の書評会だったか選考会だったか、そんな番組を好んで見ていたが最近はついぞ見なくなって久しい。 この本は第9回大賞を満場一致で授賞した大作だというので興味がわき読んでみたが、ミステリーと言っても殺…

真夏の方程式 東野圭吾

確かに面白い! 絡み合う人間関係がどう決着点をみるのか終盤は頭の中を整理しながらゆっくり読んだ。 話しは常に主人公を中心に展開していくのではなく、登場人物それぞれの視点で進められ、言うなれば全員が主人公のような設定。 終始、飽きさせないストー…

スマホを落としただけなのに 志駕 晃

今でこそ私も偉そうにパソコンだスマホだと使っているが、その実、全くのド素人で、ちょっと専門的なことになると直ぐ人に泣きつく情けない奴なんです。 しかし著者はというと、今そこにある危機、いやいや機器に滅法強く、本書はハッキングの怖さ、パスワー…

白夜行 東野圭吾

最近の映画は暴力シーンや殺害場面など実にリアルに描かれているため、時に目をそむけたくなるようなことがあるが、小説の場合はあくまでも活字なので、ノワール小説も苦もなく読める。 あくまでもフィクション、しかし、ノンフィクションやルポルタージュと…

テロリストのパラソル 藤原伊織

江戸川乱歩賞と直木賞の同時受賞はこの作品を於いて他にないらしいが、そこまで言われたら、いったいどれだけ面白いのってなわけで私も手を出してしまった。 作品自体は95年と最近のものではなく作者も既に故人となっている。 事件発生から解決までの時間は…

さよならドビュッシー 中山七里

第8回『このミステリがすごい!』大賞受賞作。 この人のピアノ演奏を絡ませた作品の特徴は演奏技術を文章として起こせるところ。 音符を文章化する技量は並大抵ではない。 目に見えない音を何ページにも亘って恰も小説から聴くように書く。 ミステリーであ…

青い炎 貴志祐介

知らなかったがミステリーの分野には「倒叙推理小説」というジャンルがあるらしい。 倒叙推理小説? 解説によると。 普通のミステリーは、まず事件が起こり、警察あるいは探偵役が捜査に乗り出し、犯人の行動や動機を推理して事件を解決する。しかし、倒叙も…

九月が永遠に続けば 沼田まほかる

本書はデビュー作にして第五回ホラーサスペンス大賞受賞作で著者56歳の作品。 解説者はこのように書いている。 無論、どの賞も建前としては作者の年齢などは考慮しないことになっているけれども、現実には作者の年齢、筆歴などは多少評価に関係してくるもの…

どこかでベートーヴェン  中山七里 

中山七里だろうが箱根七里だろうが拙者のあまり預かり知らぬ作家なのだが、これまでに2冊の関連本を読んでいる。 ピアニストの岬洋介が難事件を解決する『さよならドビュッシー』と『いつまでもショパン』だが、この作家、よほどクラシックの造形が深いのか…